巨人・山崎伊織、熱投8回無失点「責任を果たせた」遠征前に妻とけんかした時のマイルールも明かす
◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ソフトバンク0―0巨人=延長12回=(12日・みずほペイペイドーム)
バットに空を切らせ、ふぅっと大きく息を吐いた。山崎は最後の力を振り絞った。0―0のまま迎えた8回2死二塁で野村を迎えた。1ストライクからの2球目、この日の最速151キロを計測した直球で追い込み、最後はカウント2―2からフォークで空振り三振に斬った。ポンポンとグラブをたたきながらベンチへ引き揚げる背番号19に、左翼席をオレンジに染めたファンから伊織コールが響いた。
8回で今季最多の120球を投げて4安打無四球無失点。2戦連続、今季6度目のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)を達成する熱投も、打線の援護に恵まれず白星はつかめず。「なんとか責任を果たせたのではないかなと思います」と淡々と語った。
それでも、投手戦で一歩も譲らなかった。相手先発の大関が5回まで完全投球を見せるなど、緊迫した投手戦が続いた。「先制点を与えない気持ちでやっていますけど、取られたら切り替えてやろう、という気持ちで」8回以外は先頭打者を出塁させず、投手優位の投球を展開。テンポのいい投球で淡々とアウトを積み重ねる姿に、風格すら漂った。
家族に感謝しながら、マウンドに立っている。昨年12月に中学時代の先輩と結婚した右腕。とても仲良しだが、時にはけんかをすることも…。「けんかしてると野球の調子が悪くなる。だから遠征前にけんかしたら、G球場で練習して1回家に寄って、謝って仲直りしてから遠征先に行く」というのが伊織流のルールだ。
遠征や試合でなかなか家事はできないというが、サポートしてくれる妻への感謝は尽きない。家にいる時は洗濯物をたたみ、愛犬・ロイドくんのトイレやご飯などの世話をするのが右腕の役目。「遠征の時は時間の余裕があったらお土産は買って帰る。広島はもみじまんじゅうを買って帰ったで~」とにっこり。福岡土産に勝利を持ち帰ることはできなかったが、力投は愛する妻にも届いているはずだ。
チームが負けなかった最大の“原動力”となったのは、誰にも疑う余地はない。これで11試合に登板して防御率は1・08と抜群の安定感でチームを支えている。「投手陣全員でなんとかゼロで抑えて引き分けに持っていけた。辛抱強く頑張っていこうと思います」。チームのため、無心で腕を振る。(水上 智恵)