駒大苫小牧・林逸洋外野手が同校野球部初の慶大進学へ「家族もみんな泣いて。うれしかった」難関AO入試突破
今夏の高校野球南北海道大会で4強入りした駒大苫小牧の台湾人留学生・林逸洋(リン・イヤン)外野手(3年)が、慶大環境情報学部にAO入試で合格したことが8日までに分かった。同校野球部からの慶大進学は史上初。台湾語、日本語、英語、3つの言語を操るトリリンガルの秀才球児は、北の大地で得た経験を糧に、大学球界トップレベルの東京六大学野球に挑戦する。
駒大苫小牧野球部の歴史を塗り替えた。合格発表当日、林は震える手でマウスをクリック。パソコンの画面には「合格」の2文字が表示された。「本当に不安でしたね。家族もみんな泣いてくれて、うれしかった」。台湾在住の両親にもすぐに電話で報告し、喜びを分かち合った。
同じ中学校出身の黄之(コウ・シホウ)さんが立大でプレーしていた縁もあり、東京六大学に憧れがあった。希望進路を定めたのは、高校野球引退後。過去にはドラフト上位候補でも不合格になるなど、慶大のAO入試は狭き門として知られているが、地元に帰省した夏休みも机に向かい続けた。
国内大学における慶大の位置づけを理解できておらず、周囲の反応で高い壁に挑戦していることを再認識した。「慶応を受けると言ったら、みんな、えーっていうから。そんなすごいのって思いました」。オンライン塾で指導を受けながら2000字の志望理由書や、打撃力向上について研究した成果などをまとめたA4用紙50枚分の資料を作成。書類審査の1次試験を合格した。
両親が親日家で、幼い頃から年に一度は北海道を訪れていた。台湾でもテレビ放送されている「モニタリング」や野球アニメ「メジャー」などを視聴して日本語を学び、意思疎通が取れる状態で高校に入学。今夏に日本語能力試験のN2を取得し、2次の面接試験も突破した。
全国制覇2度の強豪校で主将を務めたリーダーシップと勝負強い打撃が持ち味だ。将来は、通訳など裏方として海の向こうで活躍することも夢見ている。「日本に来て本当に良かった。大学では1年生からレギュラーをとる。そして、将来はメジャーリーグ(の裏方)で活躍したい」。好きな日本語は「一生懸命」。駒苫野球部出身者初の“慶応ボーイ”がし烈なメンバー争いを勝ち抜き、聖地・神宮球場から世界に羽ばたいていく。
◆林 逸洋(リン・イヤン)2007年1月4日、台湾・新北市生まれ。18歳。東園小5年で野球を始め、台北長安中に進学。駒大苫小牧では1年夏に背番号14で初めてベンチ入りし、南北海道大会で2度4強入りした。187センチ、79キロ。右投右打。家族は両親。好きな言葉は、台湾語で全力を尽くすを意味する「全力以赴」。好きなプロ野球選手はイチロー氏。