ジャニーズ事務所のジャニー喜多川(本名・喜多川擴=きたがわ・ひろむ)社長(享年87)がくも膜下出血で亡くなってから一夜明けた10日、少年隊の東山紀之(52)、TOKIOの国分太一(44)がそれぞれテレビの情報番組に出演し、ジャニーさんへの思いを語った。東山は涙をこらえ「安らかな顔で天国にいきました」と気丈に報告。国分は号泣する場面も見せつつ「『YOU やっちゃいなよ』精神を引き継ぎたい」と誓った。
恩師が天に旅立ってから一夜。所属タレントたちはジャニーさんのモットー「Show must go on(ショーは続けなければならない)」を胸に、表舞台に立った。
東山はこの日スタートのテレビ朝日系主演ドラマ「刑事7人」のPRのため、朝から同局系「グッド!モーニング」(月~金曜・前4時55分)など3つの情報番組に生出演した。事務所内でも特にジャニーさんからプロ意識を評価されていただけに「グッド―」登場時から平静を装うように「おはようございます!」とあいさつ。「(周囲が)心なしか僕に優しい。こんな日もいいかな」と、場を和ませようと切り出し「僕らは精神を受け継いで、明るく楽しくやっていくのが基本だと思ってます」と悲しみをグッとこらえた。ジャニーさんについては「父親ですよね」と表現。最期の様子を「安らかな顔でいきました」と明かした。
国分はMCを務めるTBS系「ビビット」(月~金曜・前8時)に出演。番組では1時間にわたりジャニーさん死去を特集した。最初はじっとVTRを見つめていたが、開始から14分後、こらえきれずに眼鏡を外して涙を拭った。VTRが終わると声を詰まらせ「(テレビで)泣いてる姿を見たらジャニーさん相当怒ると思うんですけどね、すいません、ジャニーさん」と天国に向け謝った。
亡くなった日の様子も説明した。国分は午後8時過ぎに電話で訃報を聞き、病院に駆けつけた。「集まれる人間は全員集まったと思います。で、マッチさん(近藤真彦)がいるところになんとなくみんな集まって、思い出話をしたり、『ジャニーさんの魅力ってなんだったんだろうね』とか…話が尽きなかったですね、昨日は」と振り返った。
先月18日に救急搬送されてからの約3週間の様子についても「ジャニーさんが育ててくれたグループの、ジャニーズの曲までかかっていた。1回で11時間流れるように作られていて、ジャニーさんは毎日2回聞くことになる。それを3週間続けたので、相当飽きたでしょうね」と笑いを誘い「五感を刺激すれば回復するんじゃないかと、好きだった焼き肉弁当を食べて匂いを伝えたりした」と明かした。7日の七夕には病室に笹を持ち込み、タレントが短冊に願いを書いて飾り、回復を祈ったという。
「僕の心の中には『ユー、やっちゃいなよ』という言葉がずっと胸の中にあります。これは所属タレント全員が持っている言葉です」と、チャレンジ精神を持ち続けることを誓い「本当に感謝しかありません。ありがとうございました」と頭を下げた。
◆Show must go on 英語圏のショー・ビジネスで使われる慣用句で、意味は「ショーは続けなければならない」。誰が使い始めたのかは明らかになっていない。ジャニーさんが演出する舞台でよく使われる言葉で、少年隊の「PLAYZONE」を始め、堂本光一の代表作「SHOCK」、若手が出演する「JOHNNYS’ World」シリーズの劇中でしばしば登場する。また、91年には英ロックバンドのクイーンが同名の楽曲を発表している。