林家たい平からもらった手書きの「卒業証書」から力をもらっている

スポーツ報知
林家咲太朗(左)と父・たい平

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 記者というのは縁をつなげていく仕事だと思う。21年4月、入社2年目の自分が書いたコラムを最近、読み返した。落語家・林家たい平との縁について書いたものだ。

 出会いは18年。大学で落語研究会に所属していて、たい平が講師を務めるNHKの東北復興番組に参加した。4人の学生とともに東北に足を運び、現地での出会いをもとに、震災と復興を伝える内容だった。振り返ると、私にとって人生最初の「取材」だったかもしれない。

 たい平は番組の中で「縁」の大切さを伝えた。番組が終わった後も私たち生徒を定期的に集め、身をもってその大切さを示し続けてくれた。

 入社6年目の今年から、私は落語を担当することになった。5月、たい平の長男・林家咲太朗が二ツ目に昇進すると知り、取材を申し込んだ。親子でのインタビューとなり、たい平は「縁って不思議だね。こうして縁がつながっていくのはうれしいよね」と言った。私も心底そう思った。

 入社2年目のコラムには「あの番組で、自分が見たものを自分の言葉で伝えれば、人の心を動かせることを知りました。何より、たい平さんに出会えたから記者になったんだと思います」と書いてある。初心をもう一度、かみしめた。

 今も私の部屋には番組終わりにたい平からもらった手書きの「卒業証書」がある。書かれている言葉は「心が豊かなあなたで、ずっと」。いつもベッドの上で眺めて、頑張ろう、と力をもらっている。(芸能担当・瀬戸 花音)

 ◆瀬戸 花音(せと・かのん)2020年入社。将棋担当を経て映画・演劇などを取材。

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