8代目尾上菊五郎が襲名披露公演で同級生・市川團十郎と共演「伝統と革新にのっとり精進して参りたい」
歌舞伎俳優の尾上菊之助改め8代目尾上菊五郎(47)、尾上丑之助改め6代目尾上菊之助(11)の襲名披露公演「團菊祭五月大歌舞伎」(27日千秋楽)が2日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。8代目は同い年の盟友・市川團十郎(47)と「勧進帳」で共演し、「令和の團菊」として歌舞伎の新時代を感じさせた。
8代目菊五郎は「勧進帳」で初めて舞台に登場した。盛大な拍手と「音羽屋!」の大向こうが響き、約1900人で満員の歌舞伎座は祝福ムードに包まれた。
菊五郎と團十郎は1977年生まれの同級生で、歌舞伎界きっての大名跡を背負う。今回のタッグは菊五郎たっての希望で実現した。「勧進帳」は團十郎の成田屋に伝わる家の芸「歌舞伎十八番」の人気演目。安宅の関を舞台に命がけで源義経を守ろうとする弁慶役の團十郎に対し、8代目が関守の富樫役として山伏問答などで火花を散らした。手に汗握る攻防の末、富樫は弁慶の男気に心を打たれて関所の通過を許す。一方の弁慶も富樫の心意気に感謝。同じ運命を背負った2人ならではの熱演に観客の心は揺さぶられた。
口上で菊五郎は「歴代の菊五郎が大切にしてきた伝統と革新にのっとり精進して参りたいと思います」と決意表明。團十郎は「同い年の同級生。生まれた時からずっと一緒でございます」と親しい関係性に触れ、「“新團菊”として頑張っていきたいと思います」と結束を誓った。さらに團十郎の長男・市川新之助(12)と菊之助は学年こそ違うが、同じ2013年生まれ。團十郎は「9代目菊五郎、14代目團十郎襲名の折にも、ご高覧賜りますようお願いします」と将来を見据えて呼びかけた。
2人は小学校時代にラグビーで汗を流した仲でもある。昨年5月の会見では菊五郎が「團十郎さんと、スクラムを組んでやっていきたい」とラブコール。これに対し、團十郎はスポーツ報知の取材で「力を合わせ、手を取り合って、歌舞伎の未来を想像しながら切磋琢磨していきたい」と快諾した。今後も「令和の團菊」として、2人が協力して歌舞伎界を盛り上げる。
菊五郎の父・7代目菊五郎(82)も引き続き同じ名跡を名乗るため、史上初の「2人菊五郎」としても注目されている。(有野 博幸)
◆8代目尾上菊五郎(おのえ・きくごろう) 本名・寺嶋和康。1977年8月1日、東京都生まれ。47歳。7代目尾上菊五郎、富司純子夫妻の長男。84年2月歌舞伎座「絵本牛若丸」で6代目尾上丑之助を名乗り初舞台。96年5月歌舞伎座「弁天娘女男白浪」の弁天小僧菊之助で5代目尾上菊之助を襲名。TBS系ドラマ「グランメゾン東京」などにも出演。