【箱根駅伝】城西大最高の3位…6区は石川県出身・久保出雄太「県の方が一番大変なのに」親族の応援が「走る力」に

スポーツ報知
6区を走る城西大・久保出雄太(カメラ・小林 泰斗)

◇第100回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 (3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 城西大が総合3位と快走を見せた。往路3位を保ったまま5人がつないでフィニッシュし、過去最高成績の6位を大きく上回った。大会最優秀選手賞の「金栗四三杯」にも5区で区間記録を更新した“山の妖精”山本唯翔(4年)が選ばれた。

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 城西大が有言実行で歴史を塗り替えた。10区・中田侑希(4年)は4位・東洋大の猛追を必死に振り払った。「だんだん詰まってるなって、ずっと足がつりそうで。怖くて、怖くてしょうがなかった」。2分22秒あった差は21秒まで縮まった。それでもチームの目標だった総合3位は守り抜いた。「やったぞ!」。ゴール地点で歓喜に沸く仲間たちに受け止められ、「新しい歴史に名を刻めたことがうれしい」と涙ぐんだ。

 往路の勢いをつないだ。5区で“山の妖精”山本唯翔(4年)が2年連続区間新を記録するなど3位で迎えた復路。6区のランナーは出場全23校の登録メンバー368選手の中で、能登半島地震で被災した唯一の石川県出身、久保出雄太(3年)だった。「石川県の方が一番大変なのに、親戚みんなが頑張れと応援してくれた。それが僕の走る力になった」と思いを背負って駆け出し、7区以降も単独走が続いたが、一度も順位を落とすことはなかった。

 前々回は予選会15位で本戦出場を逃したチームが大きく変わった。櫛部静二監督(52)が22年11月に提示した目標は「総合3位」。5年ぶりにシード権を獲得した前回大会よりも前の時期。2010、12年の6位を大きく上回る設定に、ある選手は「監督には失礼ですけど、『何言ってんだろう』っていうふうに思っていた」と当時を振り返る。

 だが、高い目標を掲げたことで練習の質や強度は上がり、1万メートルの城西大記録を持つヴィクター・キムタイ(2年)に食らいつく選手も1人、2人と増えていった。出雲は3位、全日本は5位といずれも過去最高8位を大幅に更新。中田は「特に出雲の3位は大きかった。Bチームも含め、自分たちもいけるんだろうなって思えた」と空気が変わったことを感じたという。

 チーム全員が自信を持って臨んだ第100回大会で壁を破った。山本は「後輩たちにいい形でつなぐことができた」と胸を張った。次は初優勝の夢を現実に変える。(林 直史)

 “謙虚な山の神” 今大会のMVPにあたる「金栗四三杯」は城西大・山本が受賞した。山上りの5区、雨天で気温が低い悪条件の中で2年連続の区間新記録を樹立したことが評価された。山本は「山の神にはなれなくても、皆さまの記憶に残るような走りができたことはすごくいい経験になった」とあいさつ。その姿を見た櫛部静二監督は「悪天候の中で、あのタイムは神の領域。“謙虚な山の神”になったなと思います」と目を細めた。

 ◆城西大の3大駅伝最高 昨季までは出雲、全日本が8位(いずれも18年)、箱根が総合6位(10、12年)。今季は出雲3位、全日本5位、箱根3位といずれも最高成績を挙げた。また、2年連続でシードを獲得したのもチーム初の快挙となった。

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