【箱根駅伝】駒大・大八木弘明総監督「箱根は甘くない。負けは、経験です。来年につなげてくれれば」

スポーツ報知
6区ラスト1キロ付近で選手に声をかける駒大・大八木弘明総監督

◇第100回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 (3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 学生3大駅伝最多タイ5連勝中だった王者・駒大は10時間48分0秒で総合2位だった。2分38秒差の逆転を目指したが、6区帰山侑大(2年)で4分17秒差にまで広げられるなど、全区間で後れを取った。悔しさを胸に篠原倖太朗(3年)、佐藤圭汰(2年)らを中心に、より強い駒大をつくり上げる。大八木弘明総監督(65)がスポーツ報知に独占手記を寄せた。

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 箱根は甘くない。来季はもう一度立て直していきます。流れですね。やっぱり後ろを走っていたら勝てないですな。普段Sチームとして指導している鈴木、篠原、佐藤の3人はタイムも悪くなく、良いレースはしたと思います。自分からも突っ込んでいけたし押し通せた。次はトラックで世界を目指すために、やっていけるんじゃないかな。エースクラスはしっかり自分の役目を果たしてくれました。

 この1年、僕はSチーム、あとは藤田が見てきました。藤田とは出会って約30年になりますが、現役の時は合宿で午前中40キロ、午後20キロとか走っていた。今の選手は耐えられない、なかなかやれないよね。でも指導者になったら変わっていかないといけない。選手の時は自分の信念を貫き通さないと目標は達成できないけど、指導者は人との出会いや関わり、頭を下げないといけないし、選手の目線に合わせながら指導していかないといけない。藤田はそういうふうにだんだん変わっていっていると思います。

 今後は、持久力も考えた走り込みを含めてやっていかないと、箱根での20キロはなかなか押し通せないと思います。最初から突っ込んで最後まで持ち通すというトレーニングも含めてやっていかないと、これからは難しいんじゃないかな。篠原とか佐藤、山川とか伊藤、自分の中でリベンジして、走るべき人は走らないといけないんじゃないかな。

 総監督として初めて箱根駅伝を迎えました。監督だったら絶対に勝たなくちゃいけない思いは強いでしょうから、ちょっと気楽っていうか、少し外から見ている感覚はありましたね。でも子供たちの思いを成し遂げてあげたいという思いではいました。負けは、経験です。良かったこと、悪かったことを研究して、それを来年につなげてくれればと思います。(駒大総監督・大八木 弘明)

 ◆Sチーム 大八木総監督が世界を目指す選手の育成を目的に、昨春卒業した田沢廉(トヨタ自動車)と鈴木、篠原、佐藤でチームをつくり、高いレベルでの練習を行っている。

 ▽大八木総監督の往路動き 

 ▼2時過ぎ 起床

 ▼3時前 1区選手の朝練習チェック

 ▼5時過ぎ 寮出発

 ▼5時50分 大手町到着

 ▼6時30分頃 1区篠原をウォーミングアップへ送り出す

 ▼7時30分頃 大手町出発。「篠原には『平常心でいけば大丈夫だから』と。子供たちの喜ぶ顔がやっぱり見たいよね。こういうふうに箱根駅伝を見るのは初めてだから、なんか緊張するなぁ。運営管理車じゃない箱根駅伝が、ピンとこない」

 ▼8時 号砲とともに愛用のストップウォッチ2つをスタートさせる

 ▼9時2分 篠原がトップでタスキリレー。「いやぁ、篠原はいいレースしたね。想定より1分速い。欲をいえば、やっぱり後半だな」

 ▼9時15分 2区5キロ地点で鈴木へゲキ。「いいか! 後ろ来たら行くぞ! 行き過ぎない! 後半しっかりあげてくれば大丈夫だからな! 最後、区間賞取るんだぞ!」

 ▼9時25分 出発。篠原へ電話。「よくやった。スパートでもっとパーンといったらもっと良かったけどなあ。エースになり始めてる」

 ▼移動中に電話(山川へ)「本気で行くよ! 行くしかない! 後半、後半、後半! おまえならやれる、勝てる! ここで男出さないとな!」

 (佐藤へ)「おまえは強いよ、いいスタミナだった。もっと強くなれるよ。しっかりまた頑張っていこうな」

 ▼11時30分 芦ノ湖の宿舎へ到着。金子へ電話。「いいか、後半の頑張りにかかってるからな! 頼むぞ!」

 ▼13時 ゴールへ移動。フィニッシュを見届け「合格、合格! 大丈夫、大丈夫! おまえ最後いい走りしたよ!」

 ▽大八木総監督の復路動き

 ▼2時頃 起床

 ▼3時頃 6区選手の朝練習チェック。「監督じゃないけどさ、悔しいよ」

 ▼4時25分 箱根神社参拝。「もうこれも29回目か」

 ▼4時45分 ひげをそる

 ▼5時 朝食

 ▼6時30分 スタート場所へ移動。「風ないなあ。これは記録出るかもな」

 ▼7時35分 スタート場所を出発

 ▼8時 号砲とともに愛用のストップウォッチ2つをスタートさせる

 ▼電話(6区帰山へ指示を出すスタッフへ)「前を追え! 頭から突っ込んでいけ!」

 ▼8時58分 6区ラスト1キロ地点(小田原)で帰山へゲキを飛ばす。「安原が待ってるんだぞ! 行かないとだめだろう!」

 ▼9時 移動

 ▼電話(7区安原太陽へ指示を出すスタッフへ) 「攻めないと区間賞ないぞ!」

 ▼電話(8区赤星雄斗へ) 「区間賞取りにいくぞ! それが前を詰めることになるから」

 ▼電話(7区で安原に給水を行う弟・海晴へ) 「いいか、お兄ちゃんに言っとけ! 攻めろ、攻めろ!」

 ▼10時20分 8区4キロ地点(湘南大橋)で赤星へゲキを飛ばす。「赤星ー! 行け! 攻めろ!」

 ▼10時30分 移動。9区花尾へ「最後なんだから、やり切って、思い切って、頑張れ!」

 ▼11時25分 寮に一度戻り再度出発。

 ▼12時30分 大手町着

 ▼13時29分 10区庭瀬俊輝のゴールを見届ける

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