【箱根駅伝】渡辺康幸氏、総合Vの青学大は想像超えた調整力…この先もタイム伸びる

スポーツ報知
ゴールする青学大アンカーの宇田川(カメラ・越川 亘)

◇第100回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 (3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 青学大が10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶり7度目の総合優勝を飾った。往路を大会新で圧勝した青学大は復路も制して完全優勝。従来の記録を2分17秒塗り替える大会新記録で、学生3大駅伝5連勝中だった駒大から「箱根路の覇者」の称号を取り戻した。

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 青学大は、王道の戦いを見せてくれた。復路5選手は前半から攻めのレースを貫き、駒大に隙を与えなかった。6区の野村君は昨年メンバー外で、2年分の思いを込めた素晴らしい走りだったと思う。駒大も6区の帰山君の爆発力に懸けたが、逆に1分半以上差を広げられる結果になった。往路で狂った歯車を戻すのは、今の駒大でさえ難しかった。

 青学大は、原監督のカリスマ性で成り立つチーム。選手は褒められたい、認められたいと思い、原監督の声かけが相まって快走につながるというサイクルがある。加えて今回は選手が自立し、想像を超えた調整力を示したから、強大な駒大の2年連続3冠を阻むことができた。原監督も、過去最高にうれしいのではないか。史上最多タイ16校の復路一斉スタートも、裏を返せば青学大の高速駅伝がもたらしたもので、トップの際立つ強さを明示している。

 記録で言えば、初めて総合優勝タイムが10時間台に入ったのは、94年大会の山梨学院大(10時間59分13秒)。10時間40分台に突入したのは、15年大会の青学大(10時間49分27秒)だった。忘れてはいけないのは「速さ」ばかり追い求めるチームはもろいということ。青学大は「強さ」の土台を作った上で「速さ」を求めるチーム作りを今後も徹底するだろう。悪条件や格上にも立ち向かう精神力をベースに強化を続ければ、この先も自然とタイムが伸びる余地はある。(元早大駅伝監督、住友電工監督・渡辺 康幸)

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