【駅ペン】区間最下位 大東大の留学生ワンジルの下克上を期待…かつてのイセナさんのように

スポーツ報知
8区、力走する国学院大の鎌田(左)と大東大・ワンジル(カメラ・小林 泰斗)

◇第100回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 (3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 大東大のケニア人留学生、ワンジルが8区で区間最下位に沈んだ。9年ぶりにシード権を獲得し、喜びに沸くチームの中で、失意を味わった。ケニア人留学生が「つなぎ区間」と呼ばれる8区に出場したのは1989年の山梨学院大イセナさん(当時1年)以来、35年ぶり2人目。実はイセナさんも区間最下位(当時出場15校)だった。

 その時、イセナさんより32秒だけ速く走って、区間14位だったのは当時、東洋大1年の私だった。35年も昔の話だが、戸塚中継所で、私は私と同じように落ち込んでいたイセナさんの姿を覚えている。

 ただ、イセナさんは、このまま終わらなかった。2年時は出場できなかったが、3年時は7区3位と復活。4年時の92年大会で3区区間新記録の快走で山梨学院大の初優勝に大きく貢献した。その大会で東洋大は予選会落選を喫して、私は実家でテレビ観戦していた。「区間最下位から最後には区間新記録か。すごいよ」。勝手に仲間意識を持っていたイセナさんに陰ながら拍手を送った。

 大東大の駅伝チーム初のケニア人留学生として入学したワンジルは前回も2区で区間最下位。2年連続の失速で立場は厳しいが、それでも、あと1回チャンスが残っている。

 2015年に来日し、宮城・仙台育英高に入学。卒業後、実業団のコモディイイダで3年間、競技を続けた後、21年に21歳で入学。1年時は苦戦続きだったが、2年時には5000メートルを13分31秒97で走り、高校2年時にマークした自己ベストを6年ぶりに更新した。長距離ランナーに必要な粘り強さは持っているはずだ。

 ワンジルが25歳で迎える第101回大会で、かつてのイセナさんのように区間最下位からの下克上を果たすことを期待したい。

(編集委員・竹内 達朗)

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