【明日の金ロー】万国共通の認識「キツネはずる賢い」のイメージを一新!?する「ズートピア」

スポーツ報知
力を合わせて事件の解決を目指すウサギのジュディ(手前)とキツネのニック(C)2023 Disney. All rights reserved.

 8日の金曜ロードショー(後9時)は、4週にわたって放送されてきた「金曜ロードショーで見たいディズニー長編アニメーション映画」の最後として、「ズートピア」(2016年)が放送枠を10分拡大して本編ノーカットで登場。米アカデミー賞長編アニメーション賞にも輝いた同作は、ディズニーアニメとしては歴代世界興収が「アナと雪の女王」(13年、日本公開は14年)に次ぎ、第2位(ピクサー作品は除く)を記録している。

 ウサギのジュディは、子供の頃からの夢をかなえ、故郷の田舎町を出て、ありとあらゆる動物たちが同居する街「ズートピア」で警察官となる。世界をより良くするために頑張って働こうとするジュディだったが、与えられた仕事は犯罪捜査ではなく、駐車禁止の取り締まり。その仕事中に、詐欺師のキツネ・ニックと出会う。

 そんなある日、ジュディはカワウソのオッタートンの行方不明事件を担当し、48時間以内に解決することを命じられる。困ったジュディは、ニックの力を借りて捜査を開始するが、事件の裏にはズートピアの存在を揺るがすような黒い陰謀がうごめいていた―。

 本作の中ではニックをはじめとしたキツネは「動物界の嫌われ者」「ずる賢い動物」として描かれている。この感覚は、万国共通というのが面白いところだ。

 日本では「虎の威を借る狐」や「狐につままれた」という言葉があるように、キツネは「うさんくさい」というイメージが付いている(もっとも、新美南吉の児童文学「ごんぎつね」のキツネは”いいキツネ”だったが…)。海外に目を向けると、イソップ物語にある「すっぱいぶどう」や、ゲーテの童話「キツネの裁判」に登場するキツネも、マイナスの要素を持つキャラクターだ。

 原作通りではあるのだが、ディズニー作品でもキツネを悪者として描いた作品がある。「ピノキオ」(1940年)に登場するJ・ワシントン・ファウルフェローは、命を吹き込まれたばかりで、世間のことを何も知らないピノキオをだまし、売り飛ばしてしまった。そこからすれば、本作のニックは、肩書きこそ「詐欺師」であるものの、ジュディと力を合わせ、最後はハッピーエンドを迎える。”世間の常識”だったキツネの負のイメージを大きく変える一本と言えるだろう。(高柳 哲人)

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