【番記者の視点】川崎「14勝12敗8分け、8位」の意味は…天皇杯決勝の結果次第で大きく変わる

スポーツ報知
川崎・鬼木達監督 

◆明治安田生命J1リーグ▽第34節 鳥栖0―1川崎(3日・駅スタ)

 川崎はオウンゴールで挙げた1点で鳥栖を下し、公式戦10戦負けなしでシーズンを終えた。

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 最終節で順位を1つ上げたものの、奪還を掲げた川崎の今季リーグ戦成績は「14勝12敗8分け」の8位という結果に終わった。首位の神戸には勝ち点21差をつけられた。

 結果として、第9節終了時の「15位」がチームの“底”だった。当時のチーム状況を考えれば、8位という結果でのシーズン終了は御の字と言えるかもしれない。あの時は本当に勝てる気がしなかった。

 チームはその後も勝ったり負けたりを繰り返した。10月以降(無敗)に息を吹き返したのは、けが人の復帰に加え、「天皇杯優勝」という目標が新たに目の前に表れたことも大きかったように思う。

 「勝てるようになったから、天皇杯も決勝まで勝ち進めた」のではなく「天皇杯を勝ち進んでいたから、その他公式戦でも勝てるようになった」。タイトルという目標があることはチームに一体感を生み、目標を失っていたリーグの戦いにも大きな影響をもたらした。

 選手にとってもサポーターにとってもクラブにとっても、あれだけ序盤でつまずきながら、シーズンを戦い抜くだけのモチベーションがあったことは救いだったように思う。

 主将のMF橘田健人は「簡単に負けないチームになってきた。自信を持って天皇杯決勝に臨める」と胸を張る。「リーグ戦は思ったような結果、順位にならなかったが、今はチームとして1つ強くなった感じがある。(勝てない時期が)いい経験だったと思えるように、最後は天皇杯で優勝したい」と力を込めた。

 リーグ8位という結果だけを見れば、2023年の川崎は「失敗の1年」と総括しなければならない。しかし、そこに「右肩上がりでシーズンを終えたこと」そして「天皇杯V」という要素が加われば、意味は全く別のものになる。

 公式戦10戦無敗(8勝2分け)で迎えるファイナル。最後に意地を見せられるか。勝つことの難しさを痛感し、もがき続けた1年を「あの時期があったからこそ」と捉え、賞金と栄誉、自信とともに来季を迎えることができるか。運命の決勝は、今年1年の「価値」を懸けた一戦にもなりそうだ。(川崎担当・岡島智哉)

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