智弁和歌山出身の武元一輝 佐々木麟太郎で注目集まる米留学10か月経て「まだ何も達成していないですし…」

スポーツ報知
ハワイ大のチームメイトと写真に写る武元一輝(左)(本人提供)

 智弁和歌山で夏の甲子園に2度出場し、将来的なメジャー挑戦を見据えて米ハワイ大に進学した武元一輝投手(19)がこのほど、スポーツ報知の単独オンライン取材に応じた。今夏は、米オレゴン州にある「ポートランド・ピックルズ」の一員として、多くのメジャーリーガーが大学時代にプレーしたサマーリーグに参加。高校通算140本塁打を誇る花巻東・佐々木麟太郎内野手(18)の米留学に注目が集まる中、1年先に挑戦を始めた19歳の現在地を聞いた。

 * * *

―サマーリーグは8試合(先発は7試合)に登板して1勝2敗、防御率4・76。打っては4試合で10打数2安打

「正直、思ったような結果は出なかったです。ただ、ちゃんとした大学の試合はこの夏が最初で、野球の仕方の違いの勉強とか、貴重な経験になりました。足りない部分も分かって、今後何が必要になってくるのかを感じられたいい夏でした」

―その後のプレーオフで先発登板も1回1/3、5安打5失点(自責3)で降板

「自分はカットボールが武器だったんですけど…正直、それは武器ではなかった。対策されていて普通に打たれて、あまり良くない思い出です…」

―足りない部分とは?

「高校のときからカットボールとストレートで追い込めはするんですけど、そこからの決め球、落ちるボール、空振りを取れる球がない。あとは、自分の(代名詞となる)オリジナルのボール、これは僕しか投げられないっていう、唯一無二の球、存在にならないと上には行けないと思いました。そこを見つめ直して、何が必要なのか研究しながら今取り組んでいます」

―“一輝ボール”を作る

「そうですね。例えば、大谷さんであればスプリットとかスイーパー、ダルビッシュさんはどれも武器になるところ、藤川球児さんはフォークと真っすぐ、だったり。聞ける人にはどんどん聞いてトライを続けて、自分のものにできるように。まず何がいいのか試しているところです」

―8月末から大学生活もスタート。約3か月間の秋の練習を振り返って

「この2か月くらいはずっと紅白戦で、実戦練習をやっていました。夏の反省も生かしながら、すごくいいものになったんじゃないかなと思います」

―具体的には?

「打撃ではタイミングを早く取るとか、投手によってしっかり対応しながら。投球は球速も常時147キロくらいに安定してきて、反省をいい方向に持って行けたと思います」

―MVPを取ったと聞きました

「チーム内の投手のMVPなので、全然すごくないです(笑い)」

―環境の良さを感じる?

「天候がいいのでずっと野球ができるのが一番。気温も高いのでケガをしにくいのかなと。あと、トレーナーだったりサポートもかなりすごくて、いい感じです」

―進学してよかったと思うこと

「人との出会い、学びの面はすごく多くて。どうすればいい野球選手になれるのかとか、色々な人に話を聞ける。経験は人より積めていると、自分では思っています」

―例えば

「春のキャンプに行ったときは、イチローさんと話をする機会もありました」

―すごい名前が…。モチベーションになる

「イチローさんは高校の時も来てくれているので、面識はあって。そのときに『2つの道があったら厳しい道を選んで欲しい』というのは、今でも強く覚えているフレーズです」

―ところで、英語が飛び交う中での野球、心身の疲れはやはり高校時代より大きい?

「いや特に…みんないいチームメイトで、英語も上達しましたし、すごくいい経験になりました。もう会話は困らないです」

―10か月でそんなに! 最近はまっていることは?

「ウェートトレーニングが一番楽しいです。朝の6時15分から始まるので、5時半に起きるんですけど、めちゃくちゃいいですよ!音楽が爆音で、みんなポテンシャル高いので負けずにやってやろうって朝からなってくる。最高っす(笑い)」

―日本では怪物スラッガー・花巻東の佐々木麟太郎選手が米国大学への進学を決断。これまで対戦や交流は?

「全く接点はないですね」

―米球界挑戦という意味では先輩になる

「うーん…僕の方が上と思うことはないので、僕はまだ何も達成していないですし、自分にフォーカス(集中)して頑張ります」

―2月にシーズン開幕。今後の予定は?

「動作解析の設備を取り入れて、どうした方が回転効率が良くなるかとか、自分で自分を知るのが最初。この冬にもう1段上げて、しっかりシーズンに行けるように考えてやっています」

 ◆サマーリーグめも 米国の大学野球シーズン(2月~6月)後に開催されるプレシーズン。武元が参加した「ウェスト・コースト・リーグ」は6月2日から8月6日にわたり、週5、6試合行われた。20年にサイ・ヤング賞を受賞したシェーン・ビーバー(ガーディアンズ)らも大学時代にプレー。

 ◆イチロー氏の智弁和歌山指導 藤田清司校長との親交がきっかけに、20年12月にイチロー氏のアマチュア初指導が実現。翌夏の甲子園で21年ぶりの優勝を果たした。当時2年生の武元は背番号17でベンチ入り。準々決勝・石見智翠館戦に抑えで登板した。

 ◆武元 一輝(たけもと・いつき)2004年4月9日、大阪市生まれ。19歳。田辺小4年から軟式の長池キングスで野球を始め、田辺中では藤井寺ボーイズでプレー。智弁和歌山では1年夏からベンチ入りし、3年夏の甲子園は国学院栃木戦に6回途中4失点で降板、初戦敗退した。その2週間後、米国の大学進学を目指して全米の大学、MLBスカウトが集う米高校野球のイベント「パーフェクトゲーム オールアメリカンクラシック」に参加。変化球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、スプリット。188センチ、93キロ。右投左打。

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