前田健太がタイガースと2年35.5億円契約「彼の才能が必要」…年俸詳細を球団が公開&一部寄付は異例

スポーツ報知
オンライン取材に応じたタイガースのスコット・ハリス編成本部長

 米大リーグのタイガースは28日(日本時間29日)、ツインズからFAとなっていた前田健太投手(35)と、2年総額2400万ドル(約35億5000万円)で契約したと発表した。

 タイガースのスコット・ハリス編成本部長がオンライン会見に応じ、2024年は年俸1400万ドル(約20・5億円)、25年は1000万ドル(約15億円)で契約したことを明かした。総年俸額や、各年の年俸詳細を球団が発表するのは、極めて異例。さらには、各年タイガース基金への寄付が契約に盛り込まれた。来季の寄付額は7万ドル(約1000万円)、2年目の25年は5万ドル(約740万円)。同基金はミシガン州及び周辺の大学の奨学金や子供たちの野球支援を目的に2005年に設立された。

 ハリス編成本部長が、前田獲りの背景を熱く語った。

 「勝ちに貢献し、若手に好影響を与えるベテランの存在が必要だった。ケンタはストライクを投げ、変化球で空振りが取れる。闘争心にあふれ、素晴らしい仲間でもある。我々が好感を持てるたくさんの要素があった」

 2014年以後、9年間プレーオフから遠ざかっているタイガース。今季はトレード期限直前にロレンゼンを放出。オプトアウトを行使したロドリゲス、ボイドがFAとなり、先発補強が急務だった。

 一番の魅力は、前田の制球力だ。「ゾーン全てを使って投げる。左右いっぱいにカーブを投げたかと思えば、高めに直球を投げ、低めのスプリットで多くの空振りを奪う。鋭いスライダーがあれば、水平に軌道を描くスイーパーもあって、もはや、予想不可能」とハリス部長。「彼が日々どう調整し、試合でどう投げるか、若い選手が学べば、来年の先発ローテに大きな補強になる」と語り、35歳の年齢や右肘の手術歴も「球速も復活しているし、彼の経歴を吟味すれば、心地よく複数年契約を提示できた」と、不安材料にはならなかった。

 さらに、本拠地球場への適正も確信している。「フライボールが非常に多い前田は、コメリカ・パークの形状にフィットする」。昨年の改修工事で若干距離が縮まったとはいえ、屈指の外野の広さを誇る同球場は、フライボールを打たせることに長けた前田に有利とみている。

 通常、発表されない年俸総額や各年の年俸の詳細も公表した異例の“オープン性”について、「初の試み。メディア側が詮索しなくていい」とハリス編成部長。年俸の一部を、球団基金に寄付する条項を盛り込んだことについて「興味があるか尋ねたところ、熱心に考えてくれた。誇りに思うし、将来の選手も続いて欲しい。地域に貢献することで、もう、タイガースの一員としてキャリアを踏み出したんだ」とその人間性にほれ込む。

 タ軍にとっては、2000年の野茂英雄、木田優夫以来24年ぶりの日本人選手。ハリス部長は「日本市場を意識した訳ではなく、あくまで、彼の才能が必要だから」と前置きした上で、「デトロイトを故郷のように思って欲しい。彼と家族をファースト・クラスの扱いで迎え、将来、ここでプレーしたいと思う日本人選手に好印象を与えてくれたらうれしい」とも語った。

 出来高が大きく、ベースの年俸が低く抑えられたドジャース、ツインズとの8年契約を満了した前田。キャリア初のFAで選んだのは、出来高もオプションもない、年俸一本、ストレート勝負の契約と、地域社会への貢献だった。

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