【番記者の視点】浦和、今季ワースト3失点 GK西川「またか…」 史上最少失点逃した守備のもろさ

スポーツ報知
GK西川周作

◆明治安田生命J1リーグ▽第33節 浦和2―3福岡(25日・埼玉スタジアム、上田益也主審)

 【浦和担当・星野浩司】簡単に隙を突かれ、失点した。1―0の前半32分。浦和GK西川周作のゴールキックをFWカンテが相手と競ることなく跳ね返され、セカンドボールの落下地点にいち早く入ったボランチのMF柴戸海はクリアできず。福岡FW山岸祐也に入れ替わられ、縦パスからMF紺野和也に同点ゴールを浴びた。西川のキックからわずか10秒。序盤から主導権を握った中であっさり失点し、MF小泉佳穂は「ゲームが自分たちの手の中にあった感覚があったけど、1失点目が痛かった」と振り返った。

 3週間前と同じパターンでやられた。福岡とのルヴァン杯決勝(4日・国立、1●2)。開始5分に西川が蹴り込んだゴールキックのクリアボールをボランチの岩尾憲が拾えず、山岸、前寛之、紺野へと展開され、クロスから失点した。西川は「やられ方もルヴァンとほぼ一緒。みんなからしたら『またか…』と頭によぎったと思う」。スコルジャ監督も「(福岡対策の)練習もして、それを繰り返さないように準備してきたが、また本日も起こってしまった」と顔をしかめた。

 この日の前半24分にも、関根貴大の縦パスのクリアボールが山岸へ。ボランチ、CBの間にポッカリ空いたスペースで拾われ、ピンチを招いた。その8分後に訪れた同じシチュエーション。頭にインプットしていたはずの相手の攻撃パターンを封じられず、失点を繰り返してしまった。

 この瞬間、08年の大分の記録と並んでいたJ1歴代最少失点(24点)は消滅した。DFホイブラーテンは「集中力を欠いた。メンタル的にももろかった」。後半9分、17分とミスが影響して得点を奪われ、今季ワーストの3失点。ショルツは「失点した後、我々のレスポンスも非常に悪かった。最近、簡単に失点してしまうところが多すぎる」と厳しく指摘した。

 MF伊藤敦樹は負傷、岩尾は累積警告と主力ボランチ2人が欠場した。特に岩尾は攻撃のかじ取りに加え、展開に応じたチームのメンタル面も含めたコントロールにもたけた存在。「チームの心臓となる重要な選手が不在だった」と指揮官は嘆いた。くしくも、1失点目の際に中盤の球際で後手を踏んだのも、3失点目につながるボールロストをしたのも、今季リーグ初先発の柴戸。チーム屈指のデュエル(1対1)を誇る背番号22が、球際で相手を上回れなかったのは痛恨だった。

 攻撃面でも、采配が裏目に出た印象がある。左MFで先発した小泉はボール奪取、展開力、ゲームメイクとチーム屈指の存在感を放ったが、前半のみで交代。「左サイドからより相手の背後に抜け出す動きを増やそう。よりオープンな展開に持っていこう」(同監督)と荻原拓也を投入し、左SBの明本考浩を1列前へ上げた。

 岩尾の代わりにゲームコントロール役を担い、相手を引きつけながらビルドアップを円滑化できる存在が小泉だった。後半は左サイドの脅威が増した一方、パス連係での崩しがやや限定的だったように映る。指揮官は「結果を見ればその交代が良くなかったと言えるかもしれない。私の読みのミスだったと思う」と話した。

 これで11月は公式戦4連敗となった。ルヴァン杯のタイトル、ACLの1次リーグ首位突破、J1優勝の可能性がそれぞれ消滅。ビッグマッチを立て続けに落とし、目の前の目標を失ってきたことがチームに与えた影響は少なくない。その中で突きつけられた、スコルジャ監督の今季限りでの退任。「続けてほしかった」と指揮官との別れを惜しむ声は少なくない。

 チームは4位に転落。一方で、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2出場圏内の3位に入る戦いがまだ残っている。西川は「勝って終わりたい。責任感を持って、しっかり戦わなきゃいけない」。ACL、クラブW杯と続く過密日程の間に行われる札幌との最終節(12月3日)で、意地の1勝を見据えた。

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