【明日の金ロー】実力だけでなく、チームワークも吹き替えに生かされている「ノートルダムの鐘」

スポーツ報知
エスメラルダ(左)の影響で心を開いていくカジモド(C)1996 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 24日の金曜ロードショー(後9時)は、「金曜ロードショーで見たいディズニー長編アニメーション映画」の第2弾。「ノートルダムの鐘」(1996年)が本編ノーカットで放送される。

 「レ・ミゼラブル」などで知られるヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」が原作。ただ、記者は漫画「あしたのジョー」で、コーチの丹下段平が少年院に入っているジョーに会うために、白木葉子率いる劇団に入れてもらって慰問に赴き、主人公のカジモドを演じていたのを読んだのが、本作を知ったきっかけだったと思う。

 それはさておき、物語の舞台は中世のフランス・パリ。外見は醜いが心の優しい男・カジモドは、育ての親である冷酷な判事・フロローの言いつけを守り、ノートルダム寺院の鐘つき男として誰とも顔を合わせることなく、ひとりぼっちで暮らしていた。

 ある日、寺院の外で行われている祭りの声に誘われ、カジモドは建物の外に踏み出す。そこで出会ったのは、移動民の踊り子・エスメラルダだった。外見にとらわれず自らに接してくれたことに加え、自由奔放に生きるエスメラルダにひかれていくカジモド。一方のフロローの移動民狩りは、それまで以上に激しくなっていく―。

 主人公が「周りの人間と違う」というのは、先週放送された「ミラベルと魔法だらけの家」と同じ。ただ、本作ではその違いを「外見が醜い」という、ある意味最も分かりやすい表現で描いている。現在であれば「ルッキズムだ!」と批判も出てくることになるのかもしれないが、原作小説の発表は1831年。本作も30年近く前に製作された作品だけに、今とは事情が大きく異なるということだろう。

 吹き替え声優は、カジモド役の石丸幹二、エスメラルダ役の保坂知寿をはじめ、当時劇団四季に所属していた俳優陣が担当。日本語版の演出も劇団の代表を務めた浅利慶太さんが手掛けた。

 普段から舞台上で演技をぶつけ合っているメンバーによる吹き替えということで、歌のレベルの高さはもちろん、他のどの作品よりも自然なやりとりのように聴こえる。以前にも、記者は海外のアニメ作品は吹き替えで見ることが多いと書いたことがあるが、本作こそ、その”チームワーク”を味わってほしいと考えている。

 ちなみに、本作から20年後の2016年、劇団四季は本作のミュージカルを日本初演。今年の5~8月に再演されたが、今後の上演は現在のところ未定。ぜひ、またステージに戻って来てほしいものだ。(高柳 哲人)

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