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【神宮大会】慶大、4年ぶり5度目優勝 ソフトドラ3広瀬隆太主将「死に物狂い。努力報われてうれしい」

スポーツ報知
試合後、広瀬隆太を胴上げし大喜びする慶大ナイン(カメラ ・岡野 将大)

◆第54回明治神宮野球大会最終日▽大学の部・決勝 慶大2―0青学大(20日・神宮)

 大学の部は、慶大が4年ぶり5度目の優勝。ソフトバンクからドラフト3位指名の広瀬隆太主将(4年)が、犠飛で勝利に貢献した。

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 晩秋の夕日に照らされ、広瀬は仲間に全体重を預けた。「キャプテン、ありがとう!」。客席からの感謝の声を聞きながら3度、宙を舞った。107年ぶりに夏の甲子園を制した母校・慶応に続き、秋の大学日本一は慶大だ。神宮大会制覇の原動力となった主将は、最高の笑顔で喜びを語った。

 「この1年間みんな死に物狂いでやってきた。努力が報われてうれしい」

 大学4冠を目指す青学大との決勝。「下馬評は向こうが上。ウチはチャレンジャー」と捨て身でぶつかった。見せ場は8回だ。1死からバックの2失策をきっかけに、阪神1位の下村海翔が制球を乱した。2者連続のストレート四球。押し出しで1点を先取し、なおも満塁。広瀬への初球がボールとなると、青学大は広島1位の常広羽也斗に継投。その初球、低め147キロ直球を逃さず、ライトに打ち上げ犠飛とした。「1ボールからの交代で常広も難しい場面。メンタル的にはこっちが優位」。ドラ1リレーにも攻めの姿勢を貫いた。

 慶応幼稚舎初のプロ野球選手。だが泥臭い一面を持つ。昨秋の早慶戦。「勝ち点を取ればV」から2連敗して優勝を逃した。堀井哲也監督(61)は「3年生以下はグラウンドに戻って、バットを振ろう」と呼びかけた。90分以上振り続ける男がいた。広瀬だった。「あれが全てのスタート」と指揮官。流した汗はウソをつかなかった。

 小学生の頃から親しんだKEIOのユニホームに別れを告げる。「自分の人生を変えてくれたユニホーム。成長させてもらいました。プロでは1年目から1軍で活躍できるように頑張りたい」。真の楽しさは、鍛錬の先にある。博多の地でもエンジョイ・ベースボールを貫く。(加藤 弘士)

 ◆記録メモ

 ▼“兄弟校”優勝 慶大が4年ぶり5度目の神宮大会優勝。今夏の甲子園大会では慶応が優勝しており、夏の甲子園、秋の神宮を“兄弟校”が制した。今年の慶応のようなケースは、70年に夏の甲子園で東海大相模、秋の神宮大会で東海大が優勝したのと2度目。他に60年に大学選手権で法大、夏の甲子園で法政二が優勝している。

 ちなみに決勝の慶大は、ベンチ入りした選手24人、学生コーチ、マネジャー各1人の計26人中、13人が慶応出身。5人が先発に名前を連ねた。

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