Twitter facebook Instagram YouTube

【神宮大会】星稜・芦硲晃太主将、松井秀喜氏に「1ミリでも近づきたい」センバツ優勝なら偉大な先輩超えも

スポーツ報知
優勝を決め、マウンド上で大喜びする星稜ナイン(カメラ・岡野 将大)

◆第54回明治神宮野球大会最終日▽高校の部・決勝 星稜3―1作新学院(20日・神宮)

 高校の部は、星稜(北信越)が作新学院(関東)に競り勝ち、元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏(49)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=を擁して優勝した91年以来3度目のV。山下智将(としまさ)監督(42)は、名門を築き上げた父・山下智茂元監督(78、石川・門前高アドバイザー)に続く明治神宮大会制覇を成し遂げた。来春センバツの神宮大会枠は、北信越地区が獲得した。

 伝統の黄色いユニホームをまとった星稜ナインが、マウンド付近で喜びを爆発させた。レジェンドの松井氏が主将で4番を務めた91年以来の優勝。32年の歳月を経て、北信越の雄が神宮に新たな足跡を刻んだ。

 歓喜の輪の真ん中に、エース左腕の佐宗(さそう)翼がいた。準決勝で4点差を逆転して関東第一(東京)を下して勢いに乗る作新学院を1点に抑え、初戦に続いて完投。打線は、豊川(東海)との準決勝で本塁打を含む4安打6打点と大暴れした3番・芦硲(あしさこ)晃太主将が、1―1の8回1死二、三塁から一塁強襲の2点適時打を放って勝ち越した。今大会4試合で9打点。「自分がかえすという気持ちでした。みんなでつかんだ勝利」と声を弾ませた。4回には、1年生5番・服部航がチーム4本目の本塁打を右翼席に打ち込むなど、大会を通じて長打力が光った。

 山下智将監督は6月に就任すると、夏の石川大会を制して甲子園へ出場(2回戦で敗退)。この明治神宮大会を制し、わずか半年で日本一の指揮官となった。「心配だから」と石川大会も北信越大会も球場に足を運ばなかったという父に「こういう機会はないから、見に来てください」と声をかけ、目の前で史上初の父子Vを達成。81年生まれで、91年の優勝は「正直、記憶にありません」というが「喜んでくれているかな。顔を見たいな」と親孝行ができたことを喜んだ。

 ネット裏には星稜の“育ての親”であるその父、山下智茂氏の姿があった。監督として指揮を執った32年前を思い起こしつつ、時折ハンカチで涙を拭った。「松井以来ですね。月日のたつのは早いな、と。卒業生の頑張りが、3度の優勝につながっていると感謝しています」とグラウンドを見つめた。

 「一戦一戦、成長してくれるチーム。もう1試合したいくらい」。大仕事をやってのけても、智将監督の視線は前へ向いていた。主将の芦硲は「松井さんは、星稜のお手本になる人。1ミリでも近づけるように頑張りたいです。次の目標は甲子園の優勝」とさらなる飛躍を誓った。松井氏を擁したチームは、翌春のセンバツでは8強止まりだった。それを上回る躍進を遂げ、石川の悲願である甲子園初制覇へ。新生・星稜は、まだまだ強くなる。(浜木 俊介)

 ◆91年の星稜V 1回戦は尽誠学園に4―3で辛勝も、準決勝は12―2で浜松商に圧勝。帝京との決勝は、元巨人の三沢興一(現3軍投手チーフコーチ)を打ち崩し、13―8と打撃戦を制した。松井氏は3試合で10打数7安打2本塁打、6打点の大活躍。決勝では4四球と勝負を避けられた。

 ◆記録メモ

 ▼父子2代の秋制覇 星稜が80、91年(山下智茂監督)に次ぎ、3度目となる神宮大会優勝。山下智将監督は、2度優勝した父・智茂さんと、父子2代の優勝になった。監督で父子そろっての神宮大会制覇は初めてだ。来春のセンバツ出場は濃厚。センバツでは、智茂さんが届かなかった(95年夏に準優勝)、全国制覇を目指す。

 ▼父子2代の甲子園V 今大会9打点で優勝に貢献した芦硲晃太主将の父・太輔さんは、97年春に天理の「1番・二塁手」で優勝。センバツでは今夏の清原和博(PL学園)・勝児(慶応)父子に続く、父子2代の甲子園Vが目標になる。

野球

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×