◆大相撲 ▽九州場所9日目(20日、福岡国際センター)
大関・貴景勝(常盤山)が幕内・錦木(伊勢ノ海)を下し、連敗を2で止めた。得意の突き押しは精彩を欠き、184キロの巨体を押し切れない。それでも、小刻みに張り手を繰り出し、最後は引き落とした。敗れた8日目に続き「あまり覚えていない」と内容については触れなかった。とはいえ、トップと2差の3敗を守り「どういう状態でもやらないといけない。調子はあまり考えていない」と前向きに話した。
すでに3敗。場所後の横綱昇進は極めて厳しい状況にある。連敗からの悪い流れを食い止めて「今日は今日で準備して、明日に向かってやるだけ」と口を真一文字に結んだ。この日朝も、部屋の全体稽古には姿を現さず、疲労回復に努めた。「疲労があるのは当たり前の話。みんな同じ条件なので、集中して切り替えてやるだけ」と気合を入れ直した。
八角理事長(元横綱・北勝海)は「手だけで足が出ていない。まわしを取られたくなかったのだろうけど、足が動いていない。押し相撲はリズムが狂うと難しい」と心配する。そんな中でも貴景勝は、10日目以降に向け「1日の積み重ね。明日に向かって相撲を取る」と大関の意地を見せる。