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AI×ヒトで「ブラック・ジャック」の新作が完成 22日発売の「週刊少年チャンピオン」掲載

スポーツ報知
ヒト×AIでつくられる新作「ブラック・ジャック」(提供:「TEZUKA2023」)

 「TEZUKA2023」プロジェクトがAIとヒトのコラボレーションで制作に取り組んできた「ブラック・ジャック」の新作が22日発売の「週刊少年チャンピオン 52号」(秋田書店)に掲載される。20日、都内でお披露目イベントが開催された。

 同プロジェクトがAIとヒトのコラボレーションでマンガの神様・手塚治虫に挑み、新作「ぱいどん」を生み出してから3年。今回のプロジェクトではクリエイター自身がAIを操作しながら制作された。

 故・手塚治虫さんの長男・手塚眞さんは「ついにブラック・ジャックが少年チャンピオン紙面に復活いたしました。雑誌に載っているのを見るとわくわくして、うれしい」と喜んだ。

 今回のプロジェクトにブラック・ジャックを選んだ理由については、「皆さんがよく知っているマンガであるということ、そして、AIが扱うデータの量からすると、かなりの分量がある。それから、キャラクターがはっきりしているという強みもある。もちろんそれに加えて今年がブラック・ジャックの連載50周年という記念の年ということで設定した」と語った。

 同プロジェクトではクリエイターの仲介をするご用聞きの「インタラクティブプロンプトAI」を開発。仲介AIの開発の後、AIとヒトとのやりとりでプロットを作成し、ヒトが最終シナリオ化。そして、AIとヒトとのやりとりからシナリオに合った新たな登場人物の画像を生成し、起用する画像をヒトが決定、生成画像からヒトがキャラクターデザインを担当した。ネーム制作や作画は主にヒトによって行われた。

 AIが利用・学習した手塚治虫作品は「ブラック・ジャック」200話分のテキストデータ、「短編マンガ」200話分のテキストデータ、手塚キャラクター2万枚の顔画像データ、「ブラック・ジャック」4000ページ分のコマデータ。

 本作では、ブラック・ジャックがピノコを連れて医療とAIの最先端技術が集まる企業を訪れ、CEOから女性患者を診てほしいと依頼を受ける。その患者には「AIを活用した完全な機械の心臓」が移植されていたが、完全なはずの心臓に血腫が発生しており、過去に同様の症状である本間血腫を治せなかったトラウマを持つブラック・ジャックは一度手術を断るが、ピノコの「どこからどこまでが人間なのか?」と問われ、この難題に立ち向かう決意をする。

 眞さんは「大変に興味深いものができあがった。人間の社会が全てAIにくるまれてしまったときに、果たしてその社会は人間にとってすばらしいものなのかどうかという問いかけが含まれている。非常に問題提起をしっかりしており、それが命や社会に関わっているというのは、まさに手塚治虫らしいマンガが生み出されたと思っています」と今作への自信をのぞかせた。

 一方、「私たちチームで何か月もかけてやっと完成したんですけど、手塚治虫は1週間でやってましたからね」と手塚治虫のすごさについても改めて触れ、「それ考えるといかに手塚治虫が天才だったかということを改めて身にしみて思います。(手塚治虫にどこまで近づけたか)結果の判断は読者の皆さんにお任せしたいと思います」と笑った。

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