【侍ジャパン】井端弘和監督、代打・古賀にバントの勝負手 有言実行の初タイトルに「非常にホッと」

スポーツ報知
優勝を決め、ナインに胴上げされる井端監督(カメラ・中島 傑)

◆カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023 決勝 日本4x―3韓国=延長10回タイブレーク=(19日・東京ドーム)

 重圧を力にした侍ジャパン・井端弘和監督(48)が有言実行を果たした。初めて指揮を執った国際大会の決勝で宿敵・韓国に逆転サヨナラ勝ち。3月のWBC優勝からの流れを断たずにアジアの頂点に立つという最初の関門をクリアし、東京Dで6度、宙に舞った。「非常にホッとしている。選手はあきらめずにやってくれた。感謝しています」。17年からの大会連覇に声を弾ませた。

 勝負手を打ったのはタイブレークの延長10回無死一、二塁。好調の森下が先頭だったが、代打・古賀を送った。「打つと自信になる」と極力、バントのサインは出さない方針だったものの、6回無死二塁の門脇に続き、今大会2つ目のバントを古賀が見事に決めた。坂倉の同点犠飛、門脇のサヨナラ打を呼び込んだ。

 「優勝するだけです」と言い切って臨んだ今大会は、周囲から新米監督と見られているという自覚があったから、自己演出した。自軍が守備の間は努めてベンチのパイプいすに腰を落ち着け、腕を組んでグラウンドを見つめた。国際試合の経験が乏しい若手で構成されたチームがピンチを迎えた際、自分が立ち上がれば、落ち着かないそぶりとみられ、選手も浮足立つかもしれないと考えたからだった。

 26歳時の強烈な成功体験をもとに、選手には若手時代に多くの場数を踏むことの重要性を何度も説いた。プロ4年目の01年11月に台湾で開催された野球W杯に日本代表の一員で出場。初対戦でデータにも乏しい各国投手を攻略して打率4割3分8厘をマークし、遊撃でベストナインに輝いた。

 「これなら、ある程度知っている日本の投手からなら打てる、と翌年からは打席で心の余裕が生まれた。あの台湾での経験は本当に大きかった」。01年に2割6分2厘だった打率は02年に2割9分に上昇。「この大会を通じて国際大会の難しさも経験できた。そういう意味では成長できた」とかつての自分のように、将来の侍の中心を担う選手が台頭することを願っている。

 栗山前監督の後任選びが難航した中、覚悟を持って就任要請を受諾した。任期は来年11月のプレミア12までとされているが、26年WBCや、28年ロサンゼルス五輪でも優勝できる黄金期創成を目指す。「若い選手は大会を通じて難しさも経験できたと思う。来年はプレミアもあるので、一人でも侍に入れるようにしてほしい」。侍の国際大会連勝を19に伸ばした指揮官の視線は、未来を捉えている。(阿見 俊輔)

 ◆井端監督談

 ―延長10回、代打・古賀にバントを命じた。

 「タイブレークに行ったらバントがあるぞ、というのは古賀選手にはずっと言っていた。多分、人生で一番緊張したと思う。私も五輪予選で代打バントをやったが、それに勝ることはないという中で決めてくれたのはグッと来るものがあった。本当に感謝です」

 ―チームが一丸となった。

 「宮崎合宿でも居残りで練習する向上心を忘れていなかった。もっともっと上を目指しているところでは、未来のプロ野球は明るいなと思って見ていました」

 ―試合後のミーティングでは。

 「今春のWBCよりもお客さんが入った(東京D今季最多4万1883人)というのが分かったので、それだけ若い選手への期待が大きいということをまずは伝えました。そして、ぜひまたジャパンで会いましょうとも言いました」

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