【巨人】ドラ1・西舘勇陽、クイック投法で進化加速 中大2年秋にフォーム改良「先発で2ケタ勝利できる投手に」

スポーツ報知
中大で活躍した西舘のピッチング

 巨人からドラフト1位指名を受けた中大・西舘勇陽投手(21)は契約金1億円、出来高5000万円、年俸1600万円で仮契約した(金額はいずれも推定)。背番号は「17」。スポーツ報知では、西舘のプロ入りまでの軌跡を連載。全3回の最終回は中大時代を振り返る。

 寒さが徐々に厳しくなり始めた2019年11月。「4年後のドラフト1位」という目標に向け大学野球への準備を進めていた西舘は、花巻東野球部の佐々木洋監督(48)から熱い言葉をかけられた。「上級生になって試合に出ればいいではなくて、1年からベンチ入りやレギュラーを取る気持ちでいかないとだめ。大学は自分の時間が増える分、自分をしっかり持たないとやっていけないぞ」。岩手が誇る名将の一言一句が心に刻まれた。

 恩師の言葉を胸に中大へ進学。当時は4年生の牧(現DeNA)や2年生に森下(阪神)が所属しており、「衝撃的だった」とレベルの高さを実感した。それでも1年秋にリーグ戦デビュー。2年春には150キロの大台を突破するなど下級生時から頭角を現した。

 分岐点の一つとなったのが2年秋のリーグ戦後。レベルアップを求め、投球フォームを見直した。「左足を上げるとイメージする動きが全くできていなくて、クイックで投げた方が指のかかりがいい」。左足を上げずに投げるように改良。西武・平良がクイック投法で活躍しており、迷いはなかった。走者なしでもクイックで投げる独自の武器が誕生した。

 また、流した涙も西舘を強くした。進化を遂げて挑んだ3年春のリーグ戦。9登板でリーグ2位の防御率1・91をマークしたが、チームは苦しんだ。3校が最下位で並び行われた順位決定プレーオフの青学大戦では自身が逆転を許して、入れ替え戦へまわった。「悔しさと申し訳のなさが大きかった」。試合後は涙があふれた。もうこんな思いは味わいたくない―。決死の覚悟で臨んだ入れ替え戦では東洋大を相手に1、3回戦に先発。3回戦では1失点11奪三振の完投で残留の原動力となった。「一番厳しい試合で結果を出せたのは自信になった」。またひとまわり大きくなれた瞬間だった。

 4年秋は3勝2敗、防御率1・11、57回で60奪三振と圧巻の投球を披露。2球団競合のドラフト1位となった。取り組みに自信があったからこそ「4年間やってきたことを評価されたのが一番うれしい」と胸を張れる。座右の銘である「初志貫徹」を体現して夢をかなえた西舘。次のステージでの戦いを見据え「将来的には先発で2ケタ勝利できる投手になりたい」。一歩ずつ階段を上ってきた頼もしい男の新たなステージが始まる。(宮内 孝太)=おわり=

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