◆第40回マイルCS・G1(11月19日、京都競馬場・芝1600メートル)
ロードカナロアはディープインパクトが19年に他界してから叫ばれてきた「ポスト・ディープ」論争に終止符を打つように、今年の種牡馬リーディングで首位に君臨する。今年のマイルCSにはレッドモンレーヴとダノンスコーピオンの産駒2頭が出走。とりわけ大きな期待が持てるのが、母系も偉大な前者だ。
ロードカナロア産駒はあらゆる競馬場でまんべんなく好成績を残しているが、京都・芝1600メートル(外回り)ではデビュー初年の17年以降でディープ産駒(今回出走なし)に続く8勝を挙げ、連対率25・4%は上回る。父自身は同舞台でのマイル経験はなかったが、18年には産駒のステルヴィオが本レースを勝利。自身のスピードを伝えながら、牝馬の特徴を色濃く出す種牡馬でもある。
レッドモンレーヴの母ラストグルーヴは97年の年度代表馬エアグルーヴを母に持ち、11年のセレクトセール1歳で牝馬ながら3億6000万円の高値がついた逸材。エアグルーヴは初子からエリザベス女王杯2連覇のアドマイヤグルーヴなど活躍馬を多数出し、アドマイヤグルーヴも、種牡馬として大活躍中の春2冠馬ドゥラメンテを生んだ。エアグルーヴの母で83年オークス馬のダイナカールから始まる一族は母子G1制覇を4代まで続けているように、日本を代表する牝系だ。
ラストグルーヴからはまだG1馬は誕生していないものの、今回の登録16頭で最も活力にあふれる血統であるのは間違いない。レッドモンレーヴが4年ぶりの舞台となる京都の外回りを利し“華麗なる一族”に新たな勲章を加える。(松末 守司)