「先日、ヤクルトが優勝しました。でも、巨人はCSに出場できます。よかったですね。頑張ってください。セ・リーグのために盛り上げてください」―。
2015年10月3日の中畑さんです。この日の巨人戦を最後にDeNAの監督を退任。ハマスタのファンに別れを告げた。長々と引用した一節はラストスピーチの冒頭部分。自らの去就を語る前に相手に素晴らしいエールを送った。
偉い。キヨシさんは人間ができている。泣きたいくらい悔しい時でも、まずはライバルをリスペクト。こういう人が増えれば世界の紛争は…いや、そこまで持ち上げることじゃない。
ただ、僕はできなかったな。巨人はお呼びじゃなかったポストシーズン。「フラットに楽しめる」と冷静を装いながら、心の中で呪いの言葉を唱えていたんだから。「阪神、負けろ、負けろ、負けろ…」。我ながら最低だよ。
それだけ今季の阪神戦で受けたダメージは大きかったということ。「敵の敵は味方」じゃないけれど、頼んだぞ、新井さんに中嶋さん。最後くらいは岡田監督をもん絶させてくれ。じゃなきゃ年は越せない。
そんなわけで、ご覧の通りです。広島もオリックスも善戦したのに、最後にはきっちりと寄り切られてしまう。レギュラーシーズンの巨人を見るようだ。
あまりに一緒なので「凡退したらガムをくちゃくちゃかむのをやめろ、梶谷…じゃなくて中川」などと錯乱してしまった。
いけない。まずは勝者をたたえないと。阪神ナインの皆さん。日本一、おめでとうございます。文句なしの横綱野球でした。
「ナカジマジック」も原監督の「最善手」も、ことごとく「悪手」に変換されてしまう。なのに岡田さんは「普通にやってるだけ」と言うんだから。のれんに腕押し、謙虚さ余って憎さ百倍。それでも阿部監督と「シン・巨人」は強い強い「普通」を超えていかなければ。
去年の今頃はサッカーW杯の開幕直前だった。歓喜に沸いたWBC。そして記憶に新しいラグビーW杯とビッグイベントが続いた1年。そのフィナーレを飾るにふさわしい見事な7試合でした。やっぱり日本シリーズは面白い。もちろん、出てナンボです。