【山田邦子の釣りウキウキ】他界した母をしのんで釣りに行こう

スポーツ報知
母と肩を組む邦ちゃん

マダイかアジ

 暑い夏が終わり、やっと過ごしやすい季節になったが、今年の秋は魚も野菜も値段が高い。こういう時こそ釣りといきたいところだが、11月の舞台のリハーサルでスケジュールがキツい中、母が他界。老衰でここのところずーっと危篤状態が続いていて、最後は眠るように穏やかに逝ったので、「お疲れさまでした」と言ってあげた。89歳だった。

 魚介類が大好きだった母とは子供の頃よく海へ行った。泳ぎが苦手な母は船には乗らず私たちが沖へ出て釣りをしている間、磯でせっせとアサリやハマグリ、シッタカなどをとっていた。これが名人級でよく煮物やお汁にしてくれたものだ。父の出身地、静岡・沼津の海で遊ぶことが多く、母の貝料理と家族で釣って食べた沼津の新鮮なアジのたたきや握りずしの味は今でも覚えている。うまかった。たくさんとれたら干物にして、これまた最高。

 5年ぐらい前からだんだん歩けなくなって自宅にこもりがちになった母と、その頃の話をした時、とても懐かしそうにしていたが、「本当はアワビが一番好き。タイしゃぶも」とボソッと言ったのにはズッコケた。自分でかんでのみ込めるうちにと慌ててマダイは熱海沖で釣って、アワビは買って用意すると、うれしそうにたいらげた。早く言ってくれ。東京の下町気質のやせ我慢。昨日のことのように思い出して笑った。

 葬儀ではお焼香に来てくださった川中美幸さんと泣いたり、笑ったりしながら献歌などして、明るく送った。さて、母をしのんで…マダイ釣りへ行こうか、アジ釣りにしようか。(タレント)

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