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ドラフト指名を待つBC新潟・伊藤琉偉、一度は野球から離れた男が見せた4か月間の急成長…記者が思う

スポーツ報知

 26日のドラフト会議まで1か月を切った。9月21日、ドラフトでのNPB入りを目指す選手を中心に構成されたBCリーグ選抜とDeNA2軍の試合が、横須賀スタジアムで行われていた。その中でも目立ったのが、BC新潟・伊藤琉偉(りゅうい)内野手(21)だ。

 試合は10―7でDeNA2軍が勝利したが、10球団のスカウトが視察に訪れる中で、アピールしようというBCリーグ選抜の若手たちは必死だった。試合を見守ったBCリーグ代表の村山哲二氏は「選手がものすごい魂込めて試合していたというのがビンビン感じた」とゲームの意義を語った。

 伊藤は「1番・二塁」で出場。遊撃も守り、打っては6打数3安打とプロを相手に堂々のプレーで存在感を示し、「見られている意識があったが、やることは変わらず、立ち居振る舞いやプレー以外のところも見てもらいたい」と胸を張った。

 180センチ、77キロで本職は遊撃手。今年の3月に東農大を中退し、5月に新潟に入団したばかりだ。大学では1年春からベンチ入りするほどの有望選手だったが、単位が足りず進級できなかった。中退したときは「野球を辞めようと思っていた」と落ち込んだが、兄が友人の草野球に誘ってくれた。そこでプレーをする間に「またやりたいな」という気持ちが芽生え、中学時代に所属していたチームの監督のすすめで新潟への入団を決意。加入4か月で、BCリーグの月間MVPを獲得する活躍を見せ、一気にプロ注目の存在となった。

 村山代表は「大学を中退して2月から5月までほとんど野球をやっていなかったんですよ。真剣に始めて4か月くらいで、あそこまでのパフォーマンスが出せるのはすごい」と21歳のポテンシャルに舌を巻く。昨年のドラフトで独立リーグからNPB入りした選手は計8人だが、支配下指名はゼロと道のりは険しい。それでも夢を諦めない。野球を辞めようと思っていた男が、NPBでその名をとどろかせるチャンスをつかもうとしている。(高橋 真央)

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