大相撲秋場所で4度目の優勝を果たした大関・貴景勝が25日、東京・両国国技館で一夜明け会見を行った。千秋楽では東前頭15枚目・熱海富士(伊勢ケ浜)との優勝決定戦を制しての賜杯だったが、この日はリラックスした表情で「ただ疲れた。でも(自宅に)帰ってよく寝られました」と振り返った。場所中は目を閉じても取組のシミュレーションが浮かんできたほど集中していた。今は「ほっとした」と本音が漏れた。
7月の名古屋場所は両膝のケガの影響で全休した。場所前の稽古不足も懸念されていたが、「本場所独特の感覚になじみ出してから、後半はいい緊張感でできた」という。苦しかったのは敗れた初日ではなく、7~8日目で連敗したとき。9日目に東5枚目で埼玉栄高の後輩でもある豪ノ山(武隈)に勝って勢いに乗った。
過去3度優勝しているが、2場所連続Vの経験はない。特に綱取りがかかった21年初場所と今年の春場所は途中休場し、悔しい思いもした。連覇のかかる九州場所(11月12日初日・福岡国際センター)に向け「2回失敗しているので3度目の正直なのか。それとも2度あることは3度あるのかわからないけど、諦めたら絶対にできない」と意欲。10月4日から始まる秋巡業を経て、優勝力士として土俵に上がる。