◆JERA セ・リーグ DeNA0―6巨人(24日・横浜)
よせばいいのに早朝のラグビーW杯をリアルタイムで視聴。眠い。だけどアイルランド・南アフリカ戦は見応えしかなかった。さすがは世界ランク1位と2位の直接対決。「4年に一度のにわかファン」も最高峰のプレーを堪能させてもらいました。
ただ日本戦よりもグッときたかというと、それは違うんだな。ゲーム内容のレベルとは別に、スポーツ観戦には「思い入れ」という要素がある。「どっちが勝っても素晴らしい試合」に感心はしても、感情は揺さぶられない。
ここ2年の日本シリーズもそう。ヤクルトとオリックスの戦いは掛け値なしの名勝負だった。一方に肩入れすることなしに野球を楽しめる幸せ。これが巨人絡みだと難しい。勝っても負けても心が持って行かれてしまう。でも、それがたまらない。
そんなわけで我らがエースの証明、戸郷です。プロ初登板は2019年9月21日の、ここハマスタ。ラグビーW杯日本大会の真っ最中…というか巨人の優勝がかかった試合だった。そして本日はCSへ望みをつなぐ完封勝ち。この4年間の進化を見せつけてくれた。
いつもなら「140球上等」の男が、まさかの「マダックス」未遂だもの。2死球も四球はゼロで、先頭打者に出塁を許したのも最終回だけ。これがサステナブルな投球を呼んだ。
やるべきことをやり、やってはいけないことを回避したのは打線も同じ。得点パターンは、ほぼ同じだった。先制点は犠打と犠牲フライで挙げたもの。中押しとダメ押しもバントでお膳立て。結果的にスタンドインしたが、坂本の狙いは外野フライだったと思う。
「最低限の仕事」と先制犠飛のブリンソン。今季の巨人は、それがなかなかできなかった。対照的に「最低限」を「最大限」に繰り返したのは阪神か。懸命に四球を選び、一つでも先の塁を目指す。泥くさいとはそういうことだ。
さて、大相撲の秋場所は優勝決定戦での「変化」で幕を閉じた。物議を醸しそうだけど、これはこれでグッときた。なりふり構わず見苦しいまでの執念を。カド番ジャイアンツを推す身にとっては、貴景勝の選択に気持ちがヒリヒリしちゃうのです。