◆東都大学野球秋季リーグ戦第2週第3日▽中大2―0亜大(22日・ZOZOマリン)
中大は最速155キロを誇る西舘勇陽(4年)が亜大・草加勝(4年)との“ドラフト1位候補対決”に臨み、5球団9人のスカウトが見守る中、13三振を奪って1安打無四球完封。2勝1敗とし、勝ち点1を挙げた。東洋大、国学院大も2勝1敗で勝ち点をマークした。
球威は最後まで落ちなかった。9回2死。146キロの直球で最後の打者を中飛に抑えると、西舘は爽やかな笑みを浮かべた。亜大に許した安打はわずか1本。13奪三振で無四球完封だ。「先に点を取ってくれたので、1点で逃げ切ろうと」。試合時間98分。テンポの良さが際立った。
この日の最速は152キロ。スライダーやカットボールが持ち味だが、曲がり球狙いの相手にフォークを落とし、バットに空を切らせた。「逆を突いての三振が多かった」。視察した楽天の部坂スカウトも「制球も良く、もうワンランク上のフォークが決まっていた。間違いなく上位の投手」と賛辞を贈った。
岩手・花巻東時代は大船渡・佐々木朗希の好敵手。朗希が登板回避した3年夏の決勝で胴上げ投手になった。その朗希が本拠地とするZOZOでの快投。意識したかとの問いに「目の前の打者だけを考えて投げた」とエースの自覚を見せた。
中大で1学年上の阪神・森下がリーグVに貢献した。「ずっと見てきた先輩が上の世界で活躍しているのは、すごいなと。自分たちの代は優勝できていないので、そこを目指してやっていく」と西舘。勝利への過程で、評価は不動のものになっていく。(加藤 弘士)