J2清水エスパルスは21日、次節・甲府戦(24日、アイスタ)に向け三保で調整した。秋葉忠宏監督(47)と敵将の篠田善之監督(52)は現役時、福岡で同僚だった間柄。ともに指導者となってからは初となるマッチアップを制し、今季4度目の3連勝で2位の座をがっちりキープする構えだ。
自然と気持ちが高ぶる。清水・秋葉監督は甲府・篠田監督について問われると「非常にまじめ。チームのために黒子となり、一生懸命やる選手だった」と明かした。福岡での若手時代見習う存在だった先輩と、26年を経て指揮官として初めて対峙(たいじ)する。「楽しみです。(前期敗れた)借りを返せるようにしたい」。共にピッチの隅々まで響く声の大きさが持ち味だが、声量でもゲーム内容でも負けるつもりはない。
篠田氏は18年に清水コーチに就任し、5年間在籍。19年にはシーズン途中から監督に昇格してJ1残留へと導いた。近年のオレンジ軍団を知り尽くしており、4月のアウェー戦は0―1の完封負け。「守ってからのカウンターとセットプレーがポイント。攻め急ぐと狙われる」と警戒を強めた。
J1も含めたクラブ記録に並ぶ13戦負けなしのチームは、前節、自動昇格圏の2位に浮上。だが3位・磐田とは勝ち点1差、4位・東京Vとは同3差で全く安心できない。「ここからが大事というのは選手も分かっている」。この日は2対1でのシュート練や紅白戦形式の実戦などで調整。「ショートカウンターもあれば、崩しもあれば、セットプレーもある。ありとあらゆる手で攻撃する」とリーグ最多64得点の破壊力に絶対の自信を見せた。
甲府は20日に豪州でACLを戦っており、日程面でも清水が有利。過去、5勝1分け1敗と相性がいい本拠での“富士山ダービー”を制し、昇格へ前進する。(武藤 瑞基)
〇…MF宮本が8試合ぶりに先発する可能性が出てきた。正ボランチのMFホナウドが腰を痛めて離脱中。紅白戦では代わって主力組で起用された。「自分が出せるものを出し切る」と気合十分。甲府の守備を崩し切るには、ボランチからの的確な供給が求められる。「今は誰が出てもいい結果が出せている。そこにプラスアルファしていきたい」とうなずいた。