今夏の甲子園大会は、慶応が連覇を目指した仙台育英を決勝戦で撃破。慶応普通部時代の1916年(大正5年)以来、最長ブランクとなる107年ぶりの優勝を飾った。
大会が幕を閉じてから、1か月が経過。各校とも新チームで、来春のセンバツを目指した秋の戦いが始まっている。慶応は優勝右腕・小宅、左腕・鈴木に新主将・加藤捕手(旧チームの4番・右翼)を中心に、夏春連覇という大きな目標ができたと同時に、今度は「打倒・慶応」と、全国の高校から目標にされる存在になった。
甲子園大会の各連覇達成回数、最後に達成した学校と年度は
【連覇】 回 最後達成
夏春 (4) 83池 田
春夏 (8) 18大 阪 桐 蔭
センバツ(3) 18大 阪 桐 蔭
選手権 (7) 05駒大苫小牧
夏春連覇は春連覇に次いで少ない4度。エース・畠山準に強打の「やまびこ打線」で82年夏V。83年春は「阿波の金太郎」こと、剛腕・水野雄仁を中心に優勝した池田(徳島)が最後。達成から最も遠ざかっている。
チームは夏からメンバーがほぼ一新の“代替わり”。旧チームが勝ち進んだことによる切り替えの遅れ、難しさがあるという。
選手の顔ぶれが変わるという意味では、センバツ連覇、選手権連覇も似ているが、夏の連覇を達成した延べ7校(中京商が31~33年に3連覇)中、センバツ開催前の1922年夏に達成した和歌山中を除く、6校は夏優勝の後、翌春のセンバツに出場している。
いずれも夏春連覇はならなかったものの、春に全国大会を経験したことが、夏の地方大会を勝ち抜き、選手権連覇につながった。
裏を返せば、そんな強いチームでも、選手権直後の翌春のセンバツでは優勝に届かなかった。それだけ「夏春連覇」は難しいとも言えなくない。
新たなチームで、夏春連覇に挑む慶応の戦いぶりが注目される。(佐藤 智寿)