第76回秋季北海道高校野球大会(10月18日開幕、札幌ドーム)函館地区予選の組み合わせが20日、決まった。29日の1回戦で函館西と対戦する函館中部は、両投げの高井晴樹外野手(2年)が17年ぶりの秋全道大会に導く。
度重なるけがと闘ってきた函館中部・高井が主将としてチームを引っ張る。初戦の対戦相手が決まり「目の前の試合に集中して、いけるところまで上にいきたい」と闘志を燃やした。
小学1年時、野球を始めたときは右投げ。同5年時に右肘を痛め「離断性骨軟骨炎」と診断を受けた。完治を待つ選択肢もあったが、プレーを続けるために左投げの練習に着手。「相当練習したと思いますよ。努力の子です」と弦木裕監督(47)が言うように自宅での壁当てを毎日続けてハンデを克服し、中学時代はグラブを右手にはめてショートを守ることもあった。
保存療法で右肘の回復を待ったが高校入学後も痛みが引かなかったため、1年秋に手術に踏み切った。リハビリを続けたが今春に「胸郭出口症候群」を患い、右投げ再開は再び振り出しに。現在は右、左2つの外野手用グラブを持ち歩き、完全復活に向けて歩みを進めている。
進学校の同校において、定期テストで複数回学年トップに立った秀才で、実直な性格を買われ今秋から主将に就任している。高井は「札幌ドームで行われる全道を目指したい」。南大会10年ぶり出場の夏に続き、17年ぶり秋全道切符を手に入れてみせる。(島山 知房)