◆パ・リーグ 楽天6―1ソフトバンク(20日・楽天モバイル)
楽天は3位・ソフトバンクに2連勝し、0・5差に肉薄した。藤井聖投手(26)が5回3安打6奪三振、1失点の好投で自身3連勝。2位・ロッテとも2・5差に縮め、クライマックス・シリーズ(CS)本拠地開催も見えてきた。
お立ち台に上がった藤井は充実感に満ちた表情で喜びをかみ締めた。「僕の勝利というより、チームが勝つことが一番だと思っていた。本当にチームが勝ってよかったです」。上位追撃に向けてチームを勢いづける快投だった。
ピンチでも強い気持ちだけは持ち続け、左腕を振った。1―0で迎えた5回。同点に追いつかれ、なおも2死二塁。ここで野村を「狙い通り」のツーシームで三ゴロに仕留めて勝ち越しは許さず。5回裏の攻撃で味方打線が3点を奪い、3勝目がついた。
昨年9月に母校・東洋大野球部の高橋昭雄元監督が74歳で亡くなった。「同級生に3人すごい投手がいて、『絶対にあいつらに負けるな』と、ずっと言ってくださっていた。今の僕の諦めない気持ちにつながっている。感謝しかない」。同級生でプロに入った、上茶谷(DeNA)、甲斐野(ソフトバンク)、梅津(中日)らに負けず努力を続けてこられたのも、厳しい薫陶があったからだ。恩師が天国に旅立ち1年がたった。確かな成長を示した、この日の83球だった。(長井 毅)