福本豊氏、優勝のオリックスは要因分析 競争促した「日替わりオーダー」で選手層格段に厚くなった

胴上げされる中嶋聡監督(カメラ・渡辺 了文)
胴上げされる中嶋聡監督(カメラ・渡辺 了文)

◆パ・リーグ オリックス6―2ロッテ(20日・京セラドーム大阪)

 優勝マジックを2としていたオリックスが20日、本拠地の京セラDで2位・ロッテを下し、3年連続15度目(阪急時代含む)のパ・リーグ優勝を決めた。2点を追う7回2死から一挙6得点で球団としては初の京セラDで胴上げ。中嶋聡監督(54)にとっては自身が現役だった1995、96年の連覇を超える偉業で、球団では75~78年の4連覇以来、45年ぶりの快挙となった。チームは10月18日から本拠地でクライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(オリックスにアドバンテージ1勝)に臨み、連続日本一に挑む。

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 3連覇おめでとう。球団OBとして素直にうれしいし、誇らしく思う。昨オフに吉田正が米大リーグに移籍し、春先はWBCに4投手が選ばれた。チームのマネジメントが簡単ではない状況で、これだけの独走Vを成し遂げたのは、圧巻の一言に尽きる。

 個人的には当初、中嶋監督が組む日替わりオーダーを懐疑的に思っていた。ファンは「杉本、森のフルスイングが楽しみ」「宗の華麗な守備が見たい」と胸を躍らせて球場にやって来るものだ。そんな中、お目当ての選手がベンチスタートの可能性もある。

 ただ、この3シーズンを振り返ると、チーム競争を促したことで、選手層が格段に厚くなった。紅林、杉本が2軍暮らしを強いられたように、主力クラスもうかうかしていられない。一方で実績ない選手は、状態の良いタイミングでチャンスをもらえる。投手では山下の開幕投手がその象徴だったし、東や小木田が150キロ超の球をポンポン投げ込む姿にも驚かされた。1、2軍の垣根を越えてチームを活性化させることで、ナインが目の色を変えて野球に取り組んでいる。

 球団の3連覇は私が現役だった75~78年の4連覇以来だと聞いた。当時はみんなよく飲み、よく遊んだが、野球に真摯(しんし)に向き合い、横着する選手はいなかった。ブーマーが来日した今年8月に集まったOBも「負ける気がしなかった」「日本シリーズで巨人に勝つために練習した」と口をそろえていた。半世紀近く前の勝者のメンタリティーが、今の選手にも備わりつつある。

 黄金時代の上田利治監督(故人)は若くて厳しい熱血漢だったが、「ええで、ええで!」と常に選手を鼓舞してくれた。記憶力が抜群で相手の癖の研究や緻密なデータ収拾にも余念がなかった。名将の薫陶を受けた中嶋監督なら、70年代を超えるような常勝軍団を築いてくれるはずだ。(スポーツ報知評論家・福本 豊)

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