【ラグビーW杯】日本代表、イングランド相手に驚異のタックル成功率…ラブスカフニは19回の100%、見えた合宿の成果

スポーツ報知
後半、スクラムを組むクレイグ・ミラー(左)とピーター・ラブスカフニ

 ラグビーW杯フランス大会1次リーグ第2戦(17日)で、前回準優勝のイングランド代表に挑んだ日本代表。4トライを献上し12―34で敗れ、ボーナス点「1」も与えたが後半途中まで接戦を演じた。試合後のスタッツでは、特に守備面での奮闘が光る。6月の代表合宿から取り組んで来た成果が、数字で見えた。

 日本の80分間でのタックル成功数は174回で、イングランドが83回。ミスも24回(日本)、14回(イングランド)と日本が多いが、ボール保持率、地域支配率共に6割以上を許した相手に体を当て続けた。個人では、フランカーのラブスカフニが19回で成功率100%を記録。同リーチが18回(94%)、ロックのコーネルセンが16回(94%)、NO8姫野が16回(89%)で日本の上位4人。イングランドの1位がフランカーのアールで12回(80%)だけに、日本勢FWの運動量と正確さが垣間見える。

 日本代表は6月の浦安合宿で、選手が口々に「地獄」と表現したタックル練習を敢行。柔術家のジョン・ドネヒューコーチの下「芯を食うタックル」の技術習得と共に、熱暑のテントの中でレスリングや相撲のような動きも取り入れたトレーニングを行った。水も飲まず1時間ぶっ続け、腰に手を当てるなど「きつそうな」姿勢を取れば罰ゲームと“前時代的”とも言える練習。ただイングランド戦の守りを見れば、その成果が出ているとみることができる。

 W杯前の国内5連戦では、リーチがサモア戦(7月23日)、ラブスカフニがフィジー戦(8月5日)で危険なハイタックルによりレッドカードの一発退場を受けた。チームは8月中旬の合宿で、国際統括団体ワールドラグビー(WR)から映像資料を取り寄せ、選手とタックルの高さについて再度確認。低く構えるタックルの意識徹底を共有し、フランスに乗り込んでいた。

 世界ランク6位の壁は高く、リーチは「結構ダメージも大きくて。重くて、タックルするたびにヨーロッパ勢の強さを感じた」と認めたが、大金星へ確かな可能性を示した。1次リーグ第3戦のサモア戦(日本時間29日午前4時)、最終戦のアルゼンチン戦(10月8日午後8時)と負けられない戦いが続く日本。2大会連続の8強、そして目標に掲げる優勝に向けて精度の高いプレーを続けられるか。トライへの期待はもちろん、選手1人1人の魂込めたタックルにも注目したい。(大谷 翔太)

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