麻雀・Mリーグの開幕節第2試合が18日に行われ、俳優でプロ雀士の萩原聖人(雷電)が逆転トップ。今期から新規参入した「ビーストジャパネクスト」の注目選手のひとり、将棋棋士でプロ雀士の鈴木大介の猛攻をかわし、うれしい今期1勝を飾った。
将棋界からやってきた“黒船”が大暴れした。九段の肩書を持つ大介だ。東2局で「タンヤオ・三色同順・赤1・ドラ3」をツモり、Mリーグ初あがりは跳満3000・6000の大物手。評判通りの剛腕を見せつけた。
しかしこれに黙っていなかったのが萩原だ。親番の東3局、8巡目でツモり四暗刻を「三索・北」待ちでテンパイすると、迷わずリーチ。一発で「北」をつかんだ大介がこれに飛び込み、「リーチ・一発・トイトイ・三暗刻」で跳満1万8000点を直撃。一太刀を浴びせた。
それでも“黒船”は進軍をやめない。続く同1本場では「リーチ・一発・ツモ・タンヤオ」に裏ドラ3つを乗せて再び跳満3100・6100。東4局でも「リーチ・ツモ・タンヤオ・裏ドラ1」を仕上げ、満貫2000・4000と豪快にトップを取り返した。
やはりこの男、強い。2019年にアマチュアながら「麻雀最強戦」を優勝した実力は伊達じゃない。しかし“雪原の求道者”萩原も豪雪の下に潜み、じっとチャンスを待った。するとオーラス、親番の松ヶ瀬隆弥(風林火山)が猛攻を仕掛ける。南4局0本場で2600オール、同1本場では大介から3900点(+300点)を打ち取り、松ヶ瀬がトップに立った。
そして同2本場。萩原はこのチャンスを待っていた。白トイツ・赤1枚の形から、索子の染め手に一気寄せ。松ヶ瀬も筒子の染め手でテンパイするなかで「白・ホンイツ・赤1」の満貫8000点(+600)を大介から直撃し、松ヶ瀬をかわして逆転トップを飾った。
勝利者インタビューでは「(第1試合でチームメイトの)瀬戸熊さんが悔しいまくられ方をしたので、ホッとしています」としながらも「開幕日なので面白い麻雀を打てたら…と思っていたんですが、(大介が)むちゃくちゃ面白い麻雀を打っていた」と苦笑い。チーム名そのままの野獣的な雀風を「今までのMリーグにいないタイプ」と評価した。
将棋との“二刀流”が騒がれる大介に対し、自身も俳優との“二刀流”。それでも5年間、Mリーグの濁流にもまれ続けた自負がある。「今年は(ファンの)みんなを泣かせたいという思いが強い。初日としては上々だったんじゃないかな。ユニバース(雷電ファンの総称)、待ってろよ」。悲願のVへ、まずは黒船を撃破。いつもの指さしポーズにも力が入った開幕初日だった。
試合結果は1着に萩原(+56・6)、2着に松ヶ瀬(+13・6)、3着に大介(▲21・7)、4着に渋谷ABEMASの白鳥翔(▲48・5)。
■鈴木大介(オーラスで逆転許し3着)「自分なりの麻雀は打てたが、当たり牌をよくつかむ日だった。オーラスはトップが見えてヘッドアップしたかな。楽をしようとしたのかもしれません」