◆DDTプロレス「DRAMATIC EXPLOSION 2023」大会(18日、名古屋国際会議場イベントホール、観衆531人・満員)
「邪道」大仁田厚、ヨシ・タツ組が全日本プロレスのアジアタッグ王座6度目の防衛をかけ、秋山準、鈴木鼓太郎組との電流爆破バット&ボードタッグデスマッチに臨んだ。
9年ぶりのDDTマットでのアジアタッグ選手権となった一戦は大仁田組が奇襲を仕掛け、場外での大乱闘に。リングに戻ると、秋山がフロント・ネックロックで大仁田が絞め上げたが、ヨシ・タツがカット。大仁田が鼓太郎に毒霧を噴射。ダブルアーム・スープレックス、コブラツイストと王道ファイトを展開した。その状態でヨシ・タツが鼓太郎めがけて爆破バットを一閃。大仁田組は立てたイスに電流爆破ボードを設置し、鼓太郎にダブル・ブレーンバスターを見舞おうとしたが、秋山組が大仁田を投げたが、爆破起動スイッチを押していなかったため不発。大仁田は有刺鉄線が体に絡んでしまい、苦悶の表情を浮かべた。
なんとか立ち上がった大仁田は秋山に毒霧を浴びせようとするが、秋山がかわし、ヨシ・タツに誤射。視界を奪われたヨシ・タツに秋山がエクスプロイダー。秋山と鼓太郎が爆破バットを持って、サンドイッチする形でヨシ・タツにフルスイング。すかさず、秋山がヨシ・タツをカバーして3カウントを奪った。鼓太郎はフリーだが、2014年の入江茂弘、石井慧介以来、9年ぶりにDDTの選手の手にアジアタッグのベルトが渡った。
潔く負けを認めた大仁田は秋山、鼓太郎と握手。秋山はマイクを持つと「大仁田さん、いい経験させてもらいました。ありがとう。全日本、俺らが獲ったから、もう電流爆破じゃない。バリバリのプロレスをやりに来い。しっかりやりに来いよ」と絶叫した。
バックステージで秋山は「全日本、おまえらができないことを俺らがやったんだ。しっかり、プロレスやろうぜ。この格好じゃないシューズ、タイツ、それで来い。いつでも受けて立ってやる。全日本じゃない、このDDTの中でもやりたいヤツは言えばいい」とコメント。すると、ヨシ・タツが現れ、「秋山さん、勝手なこと言うんじゃないって。全日本のベルトだって」と発言。
これに対し、秋山が「電流爆破は電流爆破で認めている。だけど、アジアは違う。これは、今から上に行こうって人間がしのぎを削るベルトだよ」と言うと、ヨシ・タツは「俺はまだ上を目指してるんだよ。電流爆破をアジアでやらないって言うなら、普通の試合形式でいいよ。俺が絶対、取り戻す」ときっぱり。秋山は「誰か連れてこい!」と返した。大会終了後、ヨシ・タツはパートナーに秋山の全日の同期生・大森隆男を指名。10月7日、ジャイアント馬場さんの故郷である新潟・三条市の厚生福祉会館での王座挑戦が決まった。
一方、6度目の防衛に失敗。2月から7か月半守り続けた王座から陥落した大仁田は「負けは負けとして認めるけど、貸しておくだけ。利子つけて返してもらう。まさか、あんなところで有刺鉄線使ったりすると思わなかった」と話すも、落胆の色は隠せなかった。その後、勝俣瞬馬(負傷欠場中)、小嶋斗偉が大仁田の元を訪れ、小嶋が「電流爆破を大将とタッグを組んでやりたいです」と熱望。大仁田は「若いヤツらに電流爆破を継いでもらいたい。だから、この3人で頑張っていこう」と語り、DDO(ドラマチック・ドリーム・オーニタ)での共闘継続を誓い合った。
会見後、盟友・ヨシ・タツについて「また、ヨシ・タツ選手と組みたいと思えるタッグだった。ヨシ・タツ選手、毒霧かけて、ごめん。負けがあるから勝ちがあると伝えたい」とつぶやくと、ベルトを失ったことについて「まさか、全日本プロレスじゃなくて、DDTでロストするとはな。なにが起こるか分からないが、負けは負け」と話すと、「だけどな。俺は諦めの悪い男じゃ! 俺の手からベルトは移っていったけど、ベルトは貸しておくだけだ。必ず利子つけて返してもらう」と言い切っていた。
◆全成績
▽30分1本勝負
〇須見和馬(5分59秒 高角度回転片エビ固め)瑠希也●
▽フェロモンズファイナルカウントダウン in 名古屋~3WAYタッグマッチ 30分1本勝負
〇飯野“セクシー”雄貴、男色“ダンディ”ディーノ(6分40秒 リップロック→レフェリーストップによるTKO勝ち)高木三四郎、正田壮史●
※もう1組は平田一喜、彰人
▽6人タッグマッチ30分1本勝負
〇KANON、佐々木大輔、MJポー(9分26秒 コブラツイスト)岡谷英樹、岡田佑介、高鹿佑也●
▽名古屋名物スペシャル6人タッグマッチ30分1本勝負
〇入江茂弘、樋口和貞、石田慎也(14分3秒 ビーストボンバー→片エビ固め)火野裕士、遠藤哲哉、大石真翔●
▽アジアタッグ選手権試合~電流爆破バット&ボードタッグデスマッチ60分1本勝負
〇秋山準、鈴木鼓太郎(8分17秒 サンドイッチ式電流爆破バットフルスイング→片エビ固め)大仁田厚、ヨシ・タツ●
※秋山組が第120代王者に、大仁田組は6度目の防衛に失敗
▽タッグマッチ30分1本勝負
〇納谷幸男、HARASHIMA(15分18秒 世界一のバックドロップ→体固め)上野勇希、小嶋斗偉●
▽スペシャル6人タッグマッチ30分1本勝負
〇赤井沙希、鈴木みのる、坂口征夫(17分12秒 ケツァル・コアトル)クリス・ブルックス、MAO、アントーニオ本多●