◆大相撲 ▽秋場所9日目(18日、東京・両国国技館)
東前頭7枚目・高安(田子ノ浦)が3場所ぶりの勝ち越しを決めた。立ち合いで同8枚目・琴恵光(佐渡ケ嶽)にもろ手で当たった。右をねじ込んで左を抱えて寄り切った。「相手の形にもなったけれど、慌てないでしっかり前に出ることができた」と落ち着いた表情で話した。
9日目を終え、同じく1敗の同16枚目・熱海富士(伊勢ケ浜)と首位をキープ。ケガなどの影響で先々場所は初日から休場。先場所は初日から5連勝も6日目から7連敗し、負け越した。勝ち越した今場所は「今日まで順調に来られています」と笑顔で振り返った。
好調な理由は充実した稽古だ。夏巡業では多くの幕内力士と胸を合わせた。場所前には時津風部屋に出稽古し、大関・貴景勝(常盤山)とも相撲を取った。場所中も「その日、その日しっかり戦える準備をして、ベストを尽くしている」とうなずいた。
八角理事長(元横綱・北勝海)は「相手を正面に置いた、いい相撲だった。でも腰がまだ高く、足がおぼつかない気がする。ここ2~3日がヤマ。終盤になればそのまま行ける」と指摘も、元大関の地力に期待を寄せる。10日目は熱海富士との1敗対決。元大関は「調子がいい相手。気を引き締めて頑張る」と静かに闘志を燃やした。