◆JERA セ・リーグ 巨人4×―3ヤクルト=延長12回=(18日・東京ドーム)
劇的勝利にも言わずにはいられなかった。投手陣8人でつないだが、今村、菊地、船迫と3人をイニング途中からつぎ込むスクランブルでの継投。原監督は「本当は1イニングを任せられる投手がたくさんいればね。イニング途中で代えられないような投手陣になってくれると非常にありがたいんですが。全員の力で何とかというところですね」と注文をつけた。
先発のグリフィンは5回を79球で2安打無失点と好投。だが、練習中の打球直撃や発熱などもあって8月16日の中日戦(バンテリンD)以来約1か月ぶりの登板で、目安を80球に設定していた。戦前から継投策で挑むことを描いていた通り、6回からルーキーの松井を送った。しかし、2四球と自身の悪送球で無死満塁の危機をつくったところで交代。今村が犠飛の1点で火消ししたが、大量失点してもおかしくない場面だった。
延長12回にもこの回から登板した平内が、四球と犠打で1死二塁の危機を背負った。ここで打席の山田にまさかの9球連続変化球。最後は直球を投げたが外れて四球となり、船迫に交代した。マウンドに行く際、自らの太ももをバチンと叩いた原監督は「あれだけ逃げて、逃げて、逃げて、では勝負になりませんね。彼(平内)だけじゃないけど、一番多く練習している真っすぐを追い込んでから投げられないのは果たしてどうなのか」とばっさり。「本当は円熟期に入らないといけない人。もっともっと大きくなってもらいたいから」と期待するからこその愛のムチだ。
菊地は良かった 7回途中から登板した菊地がイニングをまたいだ8回も無失点。12回にはルーキーの船迫も1死満塁の危機を切り抜けた。「若い人たちが力になってくれている。菊地も良かったし、だいぶ若い芽というものが育ってきていると思います」と指揮官。反省と、収穫と。両方を手にした試合となった。(井上 信太郎)