【元白鵬・宮城野親方の目】差すか差されないかの戦い…高安対熱海富士19日、1敗同士の直接対決

スポーツ報知
熱海富士(右)は寄り切りで金峰山を破り勝ち越しを決める(カメラ・今西 淳)

◆大相撲 ▽秋場所9日目(18日・両国国技館)

 新大関・豊昇龍が新関脇・琴ノ若に小手投げで敗れ、早くも6敗目とカド番のピンチに立たされた。土俵際まで追い詰めたが、物言いの末に行司軍配差し違えで痛恨の黒星。これで3連敗と苦しい土俵が続いている。優勝争いは東前頭7枚目・高安と同15枚目・熱海富士の平幕2人が1敗でトップは変わらず。1差で追うのは西同16枚目・剣翔ただ一人となった。ともにカド番の大関・霧島と貴景勝は6勝目を挙げた。

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 熱海富士は金峰山を相手に、すぐに左前まわしを浅く取ることができました。そこから一気に前へ出る完璧な内容でしたね。これまでは上体が起き上がったままがぶるなど、自分の体勢にならないまま無理に攻める場面が見られました。今場所は顎を引き膝も曲げ、上手も浅く取り直すなど工夫が見られます。スケールの大きな相撲に、緻密(ちみつ)さも加わってきました。

 同じくトップを守った高安は、琴恵光の下からのおっつけなどを防ぎたかったのでしょう。もろ手と突っ張りでタイミングを見つつ押す、あるいは差す好機を狙っていたと思います。結果的に右を差して勝負を決めました。今場所の高安は攻守のバランスがいいですね。8日目の御嶽海戦は長い相撲でしたが引くことなく、我慢強く取れています。

 10日目は1敗同士の直接対決。熱海富士は何があっても四つになってはいけません。この日のような立ち合いをしたら勝てます。対する高安は、差すことが勝利へのポイントでしょう。(宮城野親方=元横綱・白鵬、スポーツ報知評論家)

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