拳四朗、元2階級制覇の挑戦者を9回TKOで撃退…長谷川穂積、山中慎介ら名王者に並ぶ世界戦13勝

スポーツ報知
5回 ブドラーと打ち合う寺地拳四朗(カメラ・今成 良輔)

◆プロボクシング ▽WBA、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 統一王者・寺地拳四朗―WBA4位、WBC1位ヘッキー・ブドラー(18日、有明アリーナ)

 WBA、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦は、統一王者の寺地拳四朗(BMB)が、WBA4位、WBC1位の挑戦者ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)を、9回2分19秒、TKOで勝って防衛に成功した。WBC王座は3度目、WBAスーパー王座は2度目の防衛となった。拳四朗の戦績は22勝(14KO)1敗。ブドラーは35勝(11KO)5敗。

 寺地は「全てで相手を上回っている。レベルの差を見せる」と豪語した通り、試合巧者の元2階級制覇のブドラーを退けてメインイベントを白星で飾った。21年9月に王座を失ってからは距離を詰めて接近戦スタイルも磨いた。矢吹正道(緑)に雪辱して世界王座に返り咲いた22年3月の試合などで果敢に打ち合い、ここまで3連続KOと剛腕ぶりも際立っていた。

 挑戦者のブドラーはミニマム級、ライトフライ級の元2階級制覇王者。2018年5月に当時WBA・IBF統一王者だった田口良一(ワタナベ)から12回判定で勝って2本のベルトを奪取。同年に7月のIBF王座返上を経て12月に挑戦者・京口紘人(ワタナベ)に敗れ、WBA王座から陥落した。拳四朗は21度目の世界戦で王座奪回を狙った南アフリカの実力者を退けた。

 22戦目となった拳四朗の世界戦は、2017年5月の初奪取から14度目で、21年9月に矢吹正道(緑)の敗戦以外はすべて勝利。世界戦での13勝は長谷川穂積、山中慎介と並ぶ歴代4位タイに並んだ。

 世界戦勝利数の歴代最多は4階級制覇の井岡一翔(志成)の21勝で、2位にスーパーバンタム級4団体王者で3階級制覇の井上尚弥の20連勝。3位にWBAライトフライ級の具志堅用高の14勝。拳四朗は憧れの具志堅の14勝に王手をかけた。

 所属ジムの寺地永会長は、今後はライトフライ級での4団体王座統一を第一に、課題の一つになっている減量次第ではチャンスがあれば、1つ上のフライ級(50・8キロ以下)に階級を上げて2階級制覇を目指すプランを描く。4団体統一へのターゲットになる世界王者はWBOのジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)、IBF王者に170センチ長身の12勝(9KO)無敗のシベナティ・ノンティンガ(南アフリカ)がいる。ゴンサレスは今年3月に3団体統一戦を行う予定だったが、ゴンサレスがマイコプラズマ肺炎を発症し中止になった経緯がある。

 さらなる高みに挑む拳四朗。歴代名王者に並ぶ13勝は通過点だ。

  ◆寺地拳四朗(てらじ・けんしろう)1992年1月6日、京都・城陽市生まれ。31歳。関大4年時に国体ライトフライ級優勝。2014年8月にプロデビュー。17年5月、WBC世界ライトフライ級王座を獲得し、8度防衛。21年9月に王座陥落したが、昨年3月に王座奪回。父は元東洋太平洋ライトヘビー級王者でBMBジム会長の寺地永(ひさし)氏。身長164.5センチの右ボクサーファイター。

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