【大学野球】八戸学院大が9季ぶり16度目の優勝…9回2死から指名打者・十鳥真乙が逆転満塁弾

スポーツ報知
9季ぶり16度目の優勝を決め、マウンド付近に集まって喜ぶ八戸学院大の選手たち(カメラ・有吉 広紀)

◇秋季リーグ◆北東北大学野球 第5週第2日(17日、岩手・しんきん森山)▽2回戦 富士大5-8八戸学院大

 勝てば優勝が決まる大一番で八戸学院大が富士大に8―5で逆転勝ち。9季ぶり16度目の優勝を決めた。4―5の9回2死満塁から、5番・指名打者の十鳥真乙(とっとり・まおと、2年=東京実)が右越えの逆転満塁弾。一つも負けられない状況から上位対決で4連勝と、自らの手で頂点をつかんだ。八戸学院大は明治神宮大会東北地区代表決定戦(10月21―22日、青森・はるか夢)の1回戦で、南東北大学優勝の東日本国際大と対戦する。

 最後の最後までもつれた大熱戦を制した八戸学院大の選手たちが、満面の笑みで歓喜の輪をつくった。V決戦に8―5で勝ち、9季ぶり16度目の優勝だ。優勝決定の瞬間、守備位置の中堅付近でうずくまりうれし涙を流した森本聖也主将(4年=大商大高)は、「自分は何もできていないけど、みんな頑張ってくれて優勝することができてうれしいです」と振り返った。

 指揮官への思いが力になった。9月7日は正村公弘監督の60歳の誕生日。還暦をむかえた指揮官に、選手たちは赤色のノックバットをプレゼントした。「監督さんにもノックを打ってもらおうと思って。次の日にすぐ使ってくれました」と森本主将。7日以降、10・11日の青森大戦、16・17日の富士大戦と4連勝。序盤戦で2敗と負けられない状況から、思いのこもったプレゼントをきっかけにチームが一つになった。

 3―5でむかえた9回、チームを救ったのは十鳥だ。押し出し四球で1点差になり、続く2死満塁で内角高めの直球を強振。右翼芝生席に飛び込む逆転満塁弾だ。「甘い球がきたら思い切り振ることだけ考えた。自分の役割を全うしようと思っていた」。7、8回に1点ずつ失う嫌な流れを一振りで断ち切った。

 試合後の胴上げで、還暦にちなんで6回宙を舞った正村監督は「こいつらすごいな、と思ったよ」と最大限の評価を送った。森本主将は「決定戦も絶対に勝って、神宮でやりたい」と決意。勢いそのままに、神宮切符も一丸となってつかみにいく。

(有吉 広紀)

 〇…富士大は1勝すれば優勝の状況から2連敗し、悔しい準優勝。9回も勝利まであと1アウトまで迫ったが痛打され、試合をひっくり返された。2位で進む明治神宮大会東北地区代表決定戦では、仙台六大学優勝校と対戦する。安田慎太郎監督は「野球が雑だった。もっとしっかりやらないといけない」と話し、チームを立て直して決定戦に臨む。

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