◇J1第27節(16日・札幌ドーム)湘南1-0札幌
決定的な仕事をできる選手がいないことが、湘南戦ではっきりした。序盤にいいプレーをして相手は最下位だし、いつでも得点できるという緩さが、失点につながったともいえる。点を取らないとこうなるのは、何度も経験しているはず。またかというのが感想だ。
一生懸命プレーしているのは分かるが、まだまだ工夫が足りない。象徴的なシーンがあった。前半31分、中央の小柏から右にいた荒野にパスが出てシュートを放ったが、DFに阻まれた。左にスパチョークがいたが、決してシュートがうまくない荒野を選択した。シュートを打ってくれというパスだったか、そこが空いていたから出したパスかと言えば、明らかに後者だった。
シュートを打つふりをしてパスを出すとか、もっと相手を引き付けるとかすれば、より決定的な場面になった。本当に点を取りたいなら、より簡単に打てる状況をつくらないと。偶然こうなったからここにというサッカーでは、ゴールなど奪えない。それ以外ももっと早く出せばとか、FWが動いてるのに横パスという場面が目立った。小さなズレの積み重ねが敗因といえる。
降格危機でもなく、上位争いも難しい中、モチベーションが上がりづらいのは分からなくもない。ただ1試合を大事に戦っている選手と、うまくつないで何となく気持ち良さげにプレーしてる選手が、混在してるように見えるのも気になる。僕は現役時代、「3試合で1、2点取れないようならサッカーは辞めよう」と思ってやっていた。一人一人がもっと覚悟を持って戦わないと、状況は打破できない。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)