【尾車親方の目】翔猿に5連敗 “モンキーマジック”にはまった貴景勝…「私は大乃国さんに8連敗」

スポーツ報知
翔猿(右)に押し出しで敗れた貴景勝(カメラ・今成 良輔)

◆大相撲秋場所8日目(17日・両国国技館)

 3大関が今場所初の総崩れとなった。新大関豊昇龍は宇良にはたき込まれて5敗目。かど番の2大関は貴景勝が小結翔猿の押し出し、霧島は隆の勝の突き出しに屈し、ともに3敗に後退した。初日の黒星発進から5連勝を積み上げてきたが好調一転、2連敗を喫した貴景勝の取り組みを尾車親方(元大関・琴風)が評論。

×    ×    ×    ×

 蛇に睨(にら)まれたカエルなのか。貴景勝が翔猿に5連敗。何かをすればするほど“翔猿マジック”にはまってしまう。立ち合いは思い切って突き離しても余裕を持ってかわされた。必死に追っかけてもいなされてバタバタの状態になった。土俵の円をうまく利用され最後は我慢できなくなって引いてしまった。

 私にも経験がある。大関時代の1984年の初場所から大乃国さん(元横綱、芝田山親方)になんと8連敗。どんなに前に出ようとまったく勝てなかった。理由はいまだにわからない。摩訶(まか)不思議な関係だった。

 翔猿に喫した3敗目は痛いと言わざるを得ない。押し相撲は一度、リズムを崩すと立て直すのが難しいと言われている。土俵に落ちた時の衝撃で右足を引きずりながら花道を引き揚げていった。頭から当たって一気に前に出る相撲を取り戻せるのか。勝負の後半戦が始まる。(スポーツ報知評論家)

スポーツ

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×