◆大相撲 ▽秋場所8日目(17日、東京・両国国技館)
東幕下6枚目・尊富士(伊勢ケ浜)が、東幕下12枚目・栃神山(春日野)を寄り切りで下し、ストレート勝ち越しを決めた。完勝で節目の白星を飾り、「落ち着いて取れたと思います。(ストレート勝ち越しは)上々のできじゃないですかね」とうなずいた。
青森・五所川原市出身の24歳は、相撲の名門・鳥取城北高から日大に進むエリート。伊勢ケ浜部屋から22年秋場所で初土俵を踏むと序ノ口、序二段を続けて制覇し、番付を駆け上がった。東幕下6枚目の今場所は、初土俵から7場所目。スピード新十両への期待も膨らむばかりだ。幕内・錦富士の付け人も務めており、兄弟子の錦富士は「(尊富士の)初日の相撲を見て、これは優勝するなと思いましたよ」と、好調ぶりを指摘した。
今場所も気負わずに相撲が取れている。尊富士は楽観的な性格で、「楽しいことを考えるのが好きで、相撲のことはなるべく考えないようにしています」。最近は、人気ゲームソフト「ピクミン4」に熱中しているという。同作は、“不思議な生物”ピクミンと一緒に未知の惑星を探索するアクションゲーム。自身の仕事が終わった夜中にプレイしているといい、「ピクミンの声がうるさい」と、部屋の仲間からクレームがあるほど没頭。「頭も使うし、面白いですよね」と、ニッコリだった。
9日目は元十両の実力者・朝志雄(高砂)戦が組まれた。「勝ち越しが目標ではないです。また修正して、一日一番取っていきたいです」と尊富士。自信にあふれる24歳が新十両に向け、着実に白星を積み重ねる。