◆秋季リーグ◇北東北大学野球 第5週第1日(16日、岩手・しんきん森山)▽1回戦 八戸学院大4-3富士大(延長10回タイブレーク)
八戸学院大がタイブレークの末に富士大を4―3で破り、両校が7勝2敗で並んだ。先発左腕の西山幹太投手(3年)=開智日本橋学園=が4回を投げてソロ弾のみの1安打1失点、2番手の三田隼輔投手(4年)=浦和実=が3回を2安打無失点と、投手陣が踏ん張って接戦を制した。同一カードで行われるきょう17日の最終戦は、勝ったチームが優勝の“V決戦”となった。
ボールがファウルグラウンドを転々とする間に二塁走者がヘッドスライディングで生還すると、八戸学院大の選手たちはガッツポーズをしながらベンチから飛び出してきた。タイブレーク方式の延長10回、2点差を追いつき、なお1死一、二塁。遊撃へのゴロで二塁封殺後、一塁への送球が悪送球となりサヨナラ勝ちだ。
まさかの結末にも「勝てばいいんだよ」と正村公弘監督。第1週の青森中央学院大、第2週のノースアジア大と共に1勝1敗で序盤は出遅れたが、第4週で青森大に連勝。富士大を倒し、ついに首位に並んだ。V字回復の要因は、指揮官も「よくやってくれている」と話す投手陣の頑張りだ。
先発の西山は1回にいきなり先頭打者弾を浴びるも、その後は無安打投球。4回を投げ切ると、後を継いだ三田が5回からの3イニングで2度得点圏に走者を背負うも、無失点に抑えた。西山は「全球種を使ってコースをついていけた」、三田は「(失点)ゼロで後ろにつなぐことだけ考えていた」。短いイニングでつなぐ継投策を用いることで、各投手が最初から“全力投球”できるのだ。連勝した青森大戦は第1戦が3投手、第2戦が4投手の継投で2試合連続ゼロ封。この一戦も9回まで1失点と、投手陣の奮投がチームに勢いをもたらしている。
リーグ最終戦が大一番となったが、三田は「何も変えることなく普通にやって、勝って優勝したい」ときっぱり。今まで通りに目の前の打者を抑えていった先に、9季ぶり16度目の優勝が待っている。
(有吉 広紀)
〇…富士大は勝てば2季連続39度目の優勝が決まったが、延長10回は失策が重なって悔しいサヨナラ負けを喫した。得点もタイブレーク以外では1回に飛び出した1番・麦谷祐介中堅手(3年)=大崎中央=の先頭打者弾のみと、打線が苦しんでいる。連覇へ負けられない17日の試合へ、安田慎太郎監督は「(打線の)調子は悪くないが、チャンスで1本が出ない」と奮起を促した。
〇…青森大はノースアジア大に5-1。先発左腕の庄司陽斗(4年)=聖和学園=が4回まで無安打、結局7回を投げて3安打6奪三振無失点と好投した。すでにプロ志望届を提出。この日もスタンドで視察していたNPBのスカウト陣にアピールした。「(4四球と)制球が乱れて流れをつくれなかったのは反省点。腕を振っていければいい、と思って投げていた」と振り返った。