第100回箱根駅伝予選会(10月14日)の試走会が16日、東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地と国営昭和記念公園で行われ、関西地区から参加する立命大も参加し、本戦出場へイメージを高めた。「箱根駅伝予選会は大きな目標です。予選会を突破して本戦出場を目指します」と北辻巴樹主将(4年)は力強く話した。
箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は昨年6月、第100回箱根駅伝予選会の参加資格を従来の「関東学生陸上競技連盟男子登録者」から「日本学生陸上競技連合男子登録者」に広げることを発表。その後、立命大ではチームミーティングを重ね、今年3月1日に挑戦を表明した。8月には新潟・妙高高原で例年の約2倍の期間となる15泊16日の夏合宿を敢行。ハーフマラソン(21・0975キロ)の10人の合計タイムで13の出場枠を争う箱根駅伝予選会に向けて走り込んだ。
この日は練習拠点がある滋賀県から在来線、新幹線、在来線を乗り継ぎ、東京まで日帰りで遠征。「予選会の当日に『やったるぞ!』というイメージが持てるように走ろう」という山菅善樹監督(45)の指示の後、20人の立命大ランナーは国営昭和記念公園内の起伏が激しいコース後半を約13キロ走った。予選会のコースと大部分が重複している日本学生ハーフマラソン(例年3月開催)を経験したことがある選手は、20人中4人だけ。大部分の選手が初体験のコースを入念にチェックした。「聞いていた以上に細かいアップダウンありました。15キロ以降、どれだけ踏ん張れるか、が鍵になります」と北辻は表情を引き締めて話した。特別招待参加した1964年の40回大会以来、60年ぶりに箱根路を駆けるため、立命大ランナーは本気になっている。
関東勢と関東勢以外の実力差があることは事実。昨年の全日本大学駅伝(8区間の106・8キロ)では関東勢が15校出場し、15位以内を占めた。1万メートル8人の合計タイムで争われた全日本大学駅伝の地区選考会でも力の差は歴然だった。気象条件は異なるが、関東地区は1位通過の城西大が3時間57分35秒40、ぎりぎりの7位通過の国士舘大が3時間59分45秒19。一方、関西地区は1位通過の大経大が4時間4分22秒65で関東地区の17位相当、2位通過の立命大は4時間5分00秒21で関東地区の18位相当だった。しかも、関東地区選考会には昨年本大会の上位8校のシード校は参加していない。ハーフマラソン10人の合計タイムで争う長丁場の箱根駅伝予選会ではさらに差が広がることが予想される。
第100回記念大会の出場校は例年より3増の23校。今年1月の第99回大会で優勝した駒大をはじめ10位以内の大学はシード権を持つ。予選会枠は例年より3増の上位13校となるが「狭き門」に変わりはない。
もう一つの懸案はハードな日程だ。10月9日の出雲駅伝(6区間45・1キロ)から中4日で箱根駅伝予選会を迎える。出雲駅伝に出場する関東勢はシード校だけで、予選会校は立川の戦いに集中する中、立命大は2レースに参戦する。
関西からの「箱根への道」は長く険しい。立命大は覚悟を持って予選会に挑む。「予選会は厳しい戦いになることは分かっていますが、チーム一丸で頑張ります」と北辻主将は前向きに話す。
試走を終えた後は、箱根駅伝予選会の運命の結果発表が行われる国営昭和記念公園の「みんなの原っぱ」の雰囲気をチーム全員で笑顔でチェックした。13位以内に「立命館大学!」とアナウンスされた時、箱根駅伝の歴史は大きく動くことになる。
※文中に一部、誤りがありましたので、訂正しました。
◇第100回箱根駅伝予選会開催要項
▽日時、コース 10月14日午前9時35分、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地をスタート。立川市街地を回り、国営昭和記念公園にゴールする公認コースのハーフマラソン(21・0975キロ)。
▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、10~14人の登録選手の中から10~12人が出場し、上位10人の合計タイムで争う。留学生は登録2人以内、出場1人以内。上位13校が本戦の出場権を獲得する。
▽出場資格 日本学生陸上競技連合男子登録者で22年1月1日~23年10月1日の有効期間内に1万メートル34分以内の公認記録を有すること。
▽関東学生連合 今大会では編成されない。