◆イースタン・リーグ DeNA2―2巨人=延長11回=(15日・横須賀)
期待のルーキーが2軍戦デビューを果たした。巨人の田村朋輝投手がイースタン初登板初先発。DeNA打線を相手に3回5安打2四死球2失点だった。
普段より緊張した表情で上がったマウンド。「得意球は真っすぐとカーブ。2軍でどういう反応をして、どういう結果がでるか見たかった」。最速153キロを計測した直球とカーブの2球種を軸に、思い切り腕を振った。
3回に林と勝又に適時打を浴びて2点を失ったが、慌てない。続く1死満塁のピンチを冷静に切り抜け、追加点は許さなかった。「ボールゾーンはまず振らないし、ストライクゾーンはほとんど空振りしない。レベルが高かったです」。小手先でかわすのではなく、真っ向勝負を挑んだからこそ得られた収穫と課題があった。
山形・酒田南高から22年育成ドラフト2位で入団。1年目の今季は春季キャンプから地道なトレーニングとフォーム固めに注力し、体重は入団時から8キロ増の88キロに。直球の最速も156キロまで伸ばし、3軍戦で好成績を残して2軍公式戦デビューのチャンスをつかみ取った。
初体験のマウンドを降りた田村の言葉には向上心があふれた。「もっと体を鍛えて、球速があって空振りも取れる真っすぐを投げたい」。初登板は進化の序章にすぎない。無限の可能性を秘める右腕がさらなる飛躍を誓った。