◆JERA セ・リーグ 中日0―7巨人(15日・バンテリンドーム)
世の中は虎一色。仕方がない。阪神の「にわかファン」にでもなろうかな。そして、会社のそばの蔵前橋から隅田川へ歓喜のダイブを…やめろ、死ぬ気か。何を考えているんだ。自暴自棄になってどうする。
向こうは18年ぶりの優勝なんだ。喜ぶのは当然だろう。こっちはその18年で8回も勝っているんだぞ。阪神との13差を逆転した2008年の「メーク・レジェンド」だってある。あの時の無念に岡田監督は耐えたんだ。目の前で胴上げされたくらいでグダグダ言うんじゃないよ。
ただ、気になるのは余りに出来すぎだってこと。だって、そうでしょう。マジックの点灯から優勝までの流れ。スムーズにも程がある。ラグビーW杯と日程も重ならず、計ったように甲子園で決めた。巨人に勝ってというのも見事だ。
道頓堀も盛り上がってはいたけど、大きなトラブルはなかったらしい。全てが理想的。だけど、どうだろう。阪神なのに、ちゃんとし過ぎていないか。せめて負けて胴上げだろ。笑うところやツッコミどころが全くないのが、逆に不穏だ。
いや、岡田さんをなめんなよ。かつては松竹新喜劇の藤山寛美さんにそっくりと言われた男だ。すべては壮大な前フリ。最後には甲子園が大コケするようなトンチキな「オチ」が待っているかも…って嫌みを言うんじゃない。素直に祝福できないのか。
そんなわけで一夜明けたら、こうも違うのか。「強きを助け弱きをくじく」は否めないけど、この期に及んでゼイタクは言ってられない。優勝したチームに負けても1敗。最下位相手でも1勝は1勝だ。
投げても投げても白星が遠かった戸郷。やっと勝てたね。大量7得点。だったら先週の試合で1点でも取ってやれよと思うけど、それは言わない約束だ。だってエースだもん。報われなかった力投。ベンチもナインもファンも忘れないぞ。
それにしても甲子園はキツかった。でも山崎伊や赤星が頑張っていたのは救いだ。菅野も復活気配が濃厚だし、先発陣は今季最高の状態かも。いいことばかりはありゃしない。でも悪いことばかりも続かない。最後の最後くらい、ジャイアンツも出来すぎのドラマを見せてくれ。