◆JERA セ・リーグ 阪神4―3巨人(14日・甲子園)
昨年の「新語・流行語大賞」って覚えてますか。案外と思い出せない。「村神様」です。ちなみに、その前年は「リアル二刀流&ショータイム」。そうか、野球関連のワードが2連覇中だったのか。球界の片隅で生きる身としては、素直にうれしい。
ただ「村神様」には「野球ファン以外には浸透していない」と受賞を疑問視する声も上がった。2016年の「神ってる」や、その前の「トリプルスリー」にも同じような反応があった記憶がある。多様性の時代ということか。それだけに誰もが納得の大谷って、存在自体が奇跡だな。
さて今年の「アレ」はどうなるのか。すでにスポーツ紙界隈(かいわい)では超がつく流行語ですが、ここにきてテレビのワイドショーとかでも取り上げられるようになってきた。
これでNHKがニュース速報で「阪神、18年ぶりのアレ決定」とテロップを流してくれたらダメ押しなんだけど。野球に興味のない視聴者は「アレって何」とどよめくはず。そこを入り口に新たなファンが増えてくれたら幸いです。
そんなわけで両軍のルーキーが明暗を分けた。反撃機であえなく三振の萩尾と猛打賞の森下。ここまで差がつくと「六大学」と「東都」というリーグの体面に関わる…って本日はそこじゃない。「アレ」だよ。えっ、岡田監督は「アレ」を封印だって? もう好きにしてくれ。
だいたい岡田さんに転がされ放題だ。この3連戦の直前。「巨人やし、ちょうどええのはええ」と胴上げを予告され、いとも簡単に実行されたんだから。「ちょうどええ」って言われたんですよ。不思議なものでV逸が決まった時より、胴上げを見せられた今夜の方がずっと悔しい。
新旧キャプテンがアベック弾を放ち、秋広もフェンス直撃の二塁打。赤星の奮闘にはグッときた。なのに勝てないって、どうしてなんだろう。その答えが何なのか、分からないままここまで来てしまった。
それにしても岡田監督の優勝インタビューは面白かったな。遠慮も忖度(そんたく)も怖いものもない。でも、みんなをホッコリさせてしまう。この妙な味わいが懐かしい。「令和のノムさん」と呼びたくなる。