箱根駅伝初優勝を狙う国学院大の伊地知賢造主将が意地の日本人トップ

スポーツ報知
男子1万メートル決勝で日本人トップ8位に入りガッツポーズする国学院大・伊地知賢造

◆陸上 日本学生対校選手権 第1日(14日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

 男子1万メートルは、同種目の日本学生記録(27分6秒88)を持つ東京国際大のリチャード・エティーリ(1年)が28分15秒75で快勝した。2007年に山梨学院大のメクボ・モグスがマークした27分52秒79の大会記録には及ばなかったが、気温31度の蒸し暑いコンディションで粘り強さを見せた。日大のシャドラック・キップケメイ(1年)が28分17秒38で2位。国学院大の伊地知賢造(4年)が29分31秒20で日本人トップの8位だった。

 第100回記念箱根駅伝で初優勝を狙う国学院大の主将、伊地知が意地の走りを見せた。「日本人トップは絶対に取るつもりで走りました。残り1周は力を出し切りました」。ゴール直後、両太ももをストレッチするために正座の姿勢を取りながら伊地知は充実した表情を見せながら話した。

 平林清澄(3年)、山本歩夢(3年)ら主力は北海道合宿で練習を積む中、埼玉出身の伊地知は志願して地元開催の今大会に出場した。「いつも主将として頑張っているから、伊地知の希望を認めました。さすが、しっかりと走りましたね」と前田康弘監督は主将の責任感を高く評価した。

 昨季の3大駅伝で出雲駅伝と全日本大学駅伝が2位。箱根駅伝は4位。強豪校としての地位を確立した国学院大は今季、さらに高みを目指している。「今季のチーム目標は3大駅伝すべてで表彰台(3位以内)です。確実に3位以内に入り、そして、優勝を狙っていきます。全員が、その気で取り組んでいるので、チームの雰囲気はいいです」と伊地知はきっぱり話す。

 昨季、圧倒的な強さで学生駅伝3冠を成し遂げた駒大が今季も勢力図の中心にいる。その駒大出身の前田監督率いる国学院大は、駒大に対抗する力を蓄えつつある。

 前回の箱根駅伝で2区7位の平林、同3区5位の山本、同5区7位の伊地知がチームの中心。箱根駅伝では1、2年時ともに3区で好走した山本は、今季、1区出陣に備えている。「1区を区間賞で走ってチームに良い流れを作りたい。箱根駅伝で優勝するためには、伊地知さん、平林、僕の3人は区間賞を取らなければいけない、と思います」と山本は力強く話す。

 伊地知は箱根駅伝で1年時は8区9位、2年時は2区12位、3年時は5区7位と、異なる区間を走った。「チームのために、1区から10区まで、どこでも走れる準備をしています」と頼もしく話す。「2区と5区は経験しているし、復路に回ったとしたら『復路にはキャプテンがいる』という安心感を与える存在になりたい」と落ち着いた表情で話す。

 3本柱に引っ張られるように、チームの底上げは順調に進んでいる。「(過去最高の)箱根駅伝3位だった21年のチームの土方英和(現旭化成)、浦野雄平(現富士通)、青木祐人(現トヨタ自動車)、藤木宏太(現旭化成)の主力4人と同じレベルの練習を今季のチームは15人ができています」と前田監督は確かな手応えを明かす。

 今季の国学院大は勢いがある。駅伝シーズンで主役になる可能性を秘めている。

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